[BlueSky:06505] Re: 生き物と の出会い


[From] Minato Nakazawa [Date] Tue, 9 Aug 2005 12:24:36 +0900

中澤@昼休み中%これから食事です。

> 管理人グループの方々が、このMLを立ち上げられようと思われたとき、
> 想定していらし感じとは、大分違うものになってしまったのではないか
> 仕切りなおしたい、と思われることもあるのではないか、と、時々、
> 思ったりするのですが、今まで投稿を保存しつつ、この場を継続して下さ
> っている。設立目的に近づけるものになるといいですね m(_ _)m 。
個人的には,議論だけではどうにもならないような閉塞感を感じることも
時々あります。けれども,議論が必要なことも確かだと思います。
# 昨今の国会みたいな議論放棄→強行ではダメでしょう。

====(ここから管理人モード)
なお,今まで保存してきた投稿は,
http://www.bluesky-ml.org/archives/
に復活させました。検索システムはまだありませんが,索引はあります。
====(ここまで)

葛貫さん[6494]:
> 麦藁帽子をかぶって、釣り糸を垂れていたのは、トム・ソーヤや、
> ハックルベリー・フィンのような男の子2人、ではなく、川の生き
> 物について、楽しげにおしゃべりしているおじいさん2人でした。
>
> すぐ近くで試合に熱中しているリトルリーグの少年たちは、川辺に
> 出て、水面をのぞき込むことなく、帰って行くのでしょうね。
ぼくの子供たちはリトルでなくて軟式の少年野球をやっていますが,
確かに河川敷の野球場で試合があっても川を覗き込む暇はありませんねぇ。
まあ,草むらに入ったボールを捜しているはずが,いつの間にかバッタを
捕まえたりしている,という低学年の子はいますが。
別の機会で,例えば子ども原始村のキャンプの練習とかで川遊びはして
いますが,少年野球を始める前に比べると,川遊びの機会は随分減りました。
川端裕人君の「川の名前」とか「今ここにいるぼくらは」なんかを読むと,
もっと川遊びくらいする暇があった方がいいと思うんですけども。

> 以前、このMLでではないのですが、「1ヘクタールの畑は何人を養
> っているか?」ということが話題になったことがあったのですが、
最近,都市計画学会の学会誌「都市計画」の密度論再考という特集号に
「人類生態学からみた都市の密度」という原稿を書かせていただいた
ときにちょっと調べたのですが,この話の答えは,

常畑か,焼畑のような移動農耕か
常畑の中でも肥料を投入するかどうか
土地が痩せているか肥沃か
作物が何か

といった条件によって変わってくるでしょう。
移動農耕の場合は,そのとき耕していない畑も,人を養うためには
必要なわけですから,含めて考えなくてはいけないでしょう。

一平方キロ当たりでいうと,
パプアニューギニア高地の痩せた土地でタロイモの焼畑農耕をしている
山地オクの場合は1.5人,同じパプアニューギニア高地でも肥沃な土地で
集約的なサツマイモ農耕をしているフリでは150人,中国の山間部で
稲作を営むジノでは15人強というデータがあります。
これから考えると,肥料を投入しないで養えるのは,1ヘクタール当たり
1.5人未満ということになります。

人工閉鎖系のバイオスフィア2では,8人を養うのに0.2 haが必要だった
ので,十分に管理すれば1ヘクタール当たり40人ということになります。
しかし時間が経つと土壌は劣化するでしょうから,実際はこれより
少ないでしょう。

有名なメドウズら(枝廣淳子訳)『成長の限界 人類の選択』(ダイヤ
モンド社,2005)には,世界全体で均すと一人当たりの耕作面積は0.25ha
と書かれていますので,これからすると,1ヘクタール当たり4人という
ことですね。

> 自分が食べているものが、どんなものと関連しながら、どうやって
> 作られてきたものか、トマトひとつとっても、よく知らないんだな、
> と、最近よく思います。そういったことを、知りながら、選択して
> いきたいな、と思っています。
東京23区の人口密度は1平方キロメートル当たり13155人ですから,
食糧は外から運んでこないと足りません。それを全部知ろうとしたら
とても大変だろうと思います。東京に限らず,都市はどこも似たような
状況でしょうが。

雑駁な返信ですが,何かの足しになればと思って投稿します。

(signature follows)*****
Minato NAKAZAWA, Ph.D. <nminato@med.gunma-u.ac.jp>
Assoc. Prof., Gunma University Graduate School of Medicine
Socio-Environmental Health Sciences (Division of Public Health)
Showa 3-39-22, Maebashi 371-8511, JAPAN
at 10:59:04 on 09 (Tue) August, 2005



▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。