[BlueSky:06384] Re: 在来種の中に混雑も。


[From] "Y. Kuzunuki" [Date] Tue, 25 Jan 2005 11:58:51 +0900

葛貫です。

山口さんwrote:
> 環境省が外国種のウナギを無視していることは在来種のウナギが
> どうなっているのか、そして外来種の影響がどうなのか、具体的な
> 情報が乏しいからでしょうが、そもそも、かなり重要な水産動物で
> ある在来ウナギについて、資源生態的な調査研究が十分なされて
> きたのかが疑わしいものです。養殖技術研究ばっかりでしたね。

はい。
今、日本では、本になったホームレスの人だって、都市周辺に住ん
で拾い食いをしていたわけで、狩りで獲った獣肉、野草やきのこし
か食べないなんて人、なかなかお会いできないのではないか、と思
います。食糧で、天然物をとる狩猟採集的な要素が一番多く残って
いるのは水産資源なのではないでしょうか。養殖技術を開発し、
計画栽培という方向へ持っていこうという努力がなされてきたのは、
その過程で、生活史や生態の研究がなされたわけですし、それなり
に評価されていいことであるように思われます。

> 水産生物の資源保護、管理といわゆる「生物多様性」関係
> の希少生物(となってしまったもの)の関係が複雑怪奇です。
> それに加えて移入生物が加わってしまうから交通整理が
> 難しくなっています。そもそも、なぜ特定の(減ってしまったり、
> 帰化してしまった)生物を保護したり、駆除したりするのかを
> 考えると、人間側の恣意的な理由が裏に必ずあります。

もし、普段、食べるような魚介類がすべて陸上閉鎖システムで、完
全養殖できるようになってしまったら、あるいは、そうできるよう
になった魚介類だけが流通経路にのるシステムができてしまったら、
天然資源への関心や配慮は、ごく限られた人たちしか持たなくなっ
てしまうのではないか、と気になります。

長崎県で、こんなアンケート調査が行われたんですね。

「死者生き返る」15% 小・中学生長崎県意識調査 半数「TV
や本で聞いた」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050125-00000033-nnp-kyu

児童生徒の「生と死」のイメージに関する意識調査について
http://www.pref.nagasaki.jp/cgi-local/koho_cgi/kensei_news.cgi?mode=detail_disp&yymmdd=20050124&year=2005&month=01&day=24&dno=09&pno=01&key=20050124&pageno=0


他の生きものたちについても、取り敢えず遺伝情報をとっておけば、
懐かしい私好みの時にリセットできるというような錯覚を持ってい
ないとも限らない。怖いですね。


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