[BlueSky:06335] Re: 外来種問題


[From] "Y. Kuzunuki" [Date] Thu, 13 Jan 2005 13:34:44 +0900

こんにちは、葛貫です。

須賀さんwrote:
> 「専門家会合で生態系の被害についての議論・検討を続け、
>  1年程度かけて農家の理解を得たうえで、指定したい考えだ。 」
> ということですので、このメーリングリストでも話題になった
> 次のような点がやはり課題になっているということでしょうか。
>
> 山口さん:
> > むしろ人間の生産活動の根幹に関わる深刻な問題でもあるとの
> > 認識を広げ、具体的な対策が考えられるように組織、体制を作るべきでしょう。


はい。「農業は人類の原罪」なんていう句をみると、こんなに人口
が増えちゃって、今更、狩猟採集に戻れやしないし、よく目にする
持続的発展の「発展」ということばを除く、あるいは、今迄とは異
なる発展の方向を考えなければ、「持続的」であることも難しいよ
うな気がします。ベネフィットだけをみて導入するのではなく、
リスクも評価しなければ。

ご紹介下さった記事に、『受粉に使われるセイヨウオオマルハナバ
チは、減農薬、省力化などで農業生産に貢献する一方逃げ出して野
生化し、えさの奪い合いや巣 の乗っ取りなど在来種への影響が懸
念されている。北海道では、野生の巣が確認されている。』
とありました。その他に外国の寄生虫を媒介しているという報告も
あったように記憶します。

昨年、海外から持ち込まれたウイルスにより、コイヘルペスウイル
ス病が各地で発生し、霞ヶ浦等では、養殖業者が廃業に追い込まれ
たという話がありました。セイヨウオオマルハナバチが持ち込んだ
寄生虫が在来系のハチに広まることは、あり得るんでしょうか。
もし、そうだったら養蜂業に影響がでるかもしれませんね。

> 雑誌『生物の科学 遺伝』 2005年1月号(59巻1号)
> http://www.shokabo.co.jp/iden/iden3.1/59.1.html

このサイトでpdfファイルで公開されている『なぜいま「科学コミ
ュニケーション」なのか?』の部分だけですが、読んでみました。

# [BlueSky:06321]でご紹介した岩波の「科学」も,『生物の科学
  遺伝』も近所の書店や、近所の図書館にはないんです。
 取り寄せてもらうよう頼むなんていうことは、余程の関心がない
 限りしないし、年末の大掃除で資源ゴミとして出した大量の雑誌
 の記憶が新しいので、特にそういう思いが強いのかもしれません
 が、ほしいのは情報であって、本という物体ではない。有料でネ
 ットからダウンロードできるようにしてくれれば、話の流れにの
 って、読む人も増えるかもしれないし、その後の保存や検索にも
 便利なのに、と思います。

> セイヨウオオマルハナバチのように、自然環境と生産現場が
> かかわる問題についても、利害にかかわる当事者だけで議論を
> するのではなく、「科学コミュニケーション」という別の角度
> からの光をあてることで、これまでとちがった展開が生まれて
> くる可能性はないでしょうか。

・・・中略失礼・・・

> 参加者が、リラックスした雰囲気でともに科学について語り合う
> という催し」で、「筆者も参加したところ、参加者の何気ない
> 意見も歓迎されるオープンで活発なイベントであった。この科学
> カフェのネットワークは、この数年間で全国的な活動へと発展し、
> 国外にも広まりつつある」ということです。
>
> なんだか楽しそうな活動だと思いませんか?

そうですね。
専門家の講演会やシンポジウムというと、素人にはハードル高く、
聴きに行くのにそれなりの活性化エネルギーというか、勢いが必要
だけれど、↑のようなイベントだと参加しやすいかもしれませんね。
利害にかかわる当事者の対立の構図を浮き彫りにするようなお話は、
煮詰まって焦げついて・・・という感じで、あまり魅力がないです。

私はDGC基礎研究所(http://www.dgcbase.jp/index.htm)という
専門家からなるNPOに籍を置かせて戴いているのですが、科学的な
側面だけではなく、素人の主婦でもリラックスして質問でき、その
背景となる文化的、社会的な側面についても知ることができる、
そんな場をつくっていけたらと思っています。その場で直接的な答
えを戴けなくても、自分が何が知りたかったのかがはっきりわかっ
たり、どこにアクセスすれば知りたいことに近付けるのかヒントが
得られると嬉しいですよね。


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