[BlueSky:06319] Re: 外来種問題


[From] "Kikuhiko Mizusaki" [Date] Fri, 7 Jan 2005 09:29:54 +0900

皆様

水崎@造園屋です。

> また、外来種問題が環境問題として議論されることが、問題を
> さらに複雑にしています。誰かしらの利権がからむことがあると、
> 合理的な議論がどこかにすっ飛んで消え、政治問題化しますね。

普段から、外来種や園芸種を野放しに放置しておりますので、
いささか罪悪感をもって拝見させて頂いております。
花粉の飛散による遺伝子汚染まで話が拡がると、
飯のタネが無くなってしまいます。

基本的に造園は、在来種の演出する効果だけで満足できず、
より華美な植物を探し、品種改良して使用してきました。
自然界への個体逸脱の問題であれば、肥料要求のより高い品種に移行してきた
(意図的ではないですが)経緯がありますので、
自生種を余り圧迫しないとは思います。

シナダレスズメガヤが、河原に逸脱しており、生態系にインパクトを与えている。
と、よく言われますが、基本的に緑化に使用される外来牧草は、
肥料要求度が高い事は余り知られておりません。
河川への逸脱問題は、実は河川環境の富栄養化がキーを握っているはずです。

国内自生種と近縁種、若しくは同じ種を使用することについては、
遺伝子の地域性を犯し、さらに分離が難しいことから、
使用を控えた方がよいのではないかと考えています。
(例えば、韓国産ヨモギやコマツナギなど)

ただし、これらの緑化植物は、公共工事で安価に大量に使われており、
代替する国内産種子の供給量の問題と、施工金額の問題をクリアする必要があります。


いずれにせよ、外来種の問題は、地域性の問題に発展して行きますから、
経済活動で使用される生物全ての遺伝子の地域性をキチンと把握した上で、
議論して行かねばならないことになるのではないでしょうか?
到底不可能ですが、、、

早急になにがしかの手を打つ必要があると思われますが、
学術的にキチンとした線引きができれば、問題はすっきりするのでしょうけれど、
明治期以前に侵入した生物は、駆除できないと諦める様な、
線引きの曖昧さを含んでいる以上、利権による綱引きから逃れることはできないでしょう。
この辺を理解した上での、省庁の弱腰なのではないでしょうか?


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