ゲンゴロウさん
どう思われるかわかりませんが、わたしはずいぶん前から
自分のなかにゲンゴロウさんによく似たところがあるのを
感じています。そんなふうに感じていらっしゃる方は意外に
多いのではないか、などと想像してみたりするのですが、
いかがでしょうか。
むしろゲンゴロウさんと自分とのちがいについて語ってみたい、
けれどもそれは簡単なことではない、と思わせるところに、
ゲンゴロウさんのなみはずれたサービス精神と知性を感じ
ます。
ゲンゴロウさん:
> 善意さえあればと、「善を武器」にしてやまない人間の多い
> こと。。。自分の行為に疑問を持てぬ脳の恐ろしさ。。。。
さてさて、わたしなどはもしかしたら真っ先にこのことばで
串刺しにされてしまっているのかもしれないというようにも
思えるのですが、こんななまくらな刃をふりまわしてみせて
くださるゲンゴロウさんの真意は果たしてどこにあるのだろう
と、いぶかしくも思います。自分の行為に疑問をもてぬ脳
なんてあるのでしょうか。あるようにみえるのだとしたら、
それはそうみえるだけのこと、つまりは脳内の自己意識の
問題ではなく、自己意識をどのように外に向かって押し
出していくかという表現能力のちがいの問題ではないで
しょうか。
中野好夫さんの「悪人礼賛」という文章ははじめてよみました
が、正直なところ、あまりに純真な、というかひねりの少ない
スタイルで書かれているようにみえて、あまり感心しませんで
した。教科書にのるくらいですから、ものすごくわかりやすくて、
あたりさわりのない内容なのだと思った方が自然なのでは
ありませんか?
須賀 丈
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。