[BlueSky:06168] Re: 遺伝子と選別教育


[From] UGP66066@mb.infoweb.ne.jp [Date] Thu, 7 Oct 2004 07:37:07 +0900

余語さん、ゲンゴロウさん、皆さん、こんにちは。豊田と申します。

余語さんが憲法を出してくださったので、新鮮な気持ちになりました。
折りしも、先日、小さな朗読会で平和憲法を入れてみたもので(ただの短い序文です)。




> 貰えるようなチャンスがあって、遺伝子による選別では、その努力の部分
> もなく、自動的にランク分けされてしまうのではないか?という不安・不満
> が起きてくるのではないかと思います。

自動的にランク分けされる不満、不安についての危惧、仰るとおりと思いました。
どのような知識も結局は、利用・活用・使い方を間違わないでおこうよ、ってことですよね。
あと、その救済策。

こういうのを世間では、倫理って表現するんですかねぇ。
表現が固いですかね。

えーーと。
以前、コンサルをした際、
官庁IT提案にICカードを盛り込まなければいけなかったので、調べる機会がありました。
隣国IT先進国、韓国はすでに国民はIDカードで管理されているそうです。

そこで、その運用についての弊害を調べてみました。
その隣国のシステム運用では、個人の難病情報(遺伝子情報)が含まれているそうです。


就職は、その情報が参照され(公に許されているかは不明)書類段階で没になるそうです。
働く意欲があっても、働かせて頂けないのですから、ますます生活苦…となる訳です。


(かと言って、生活保障は充分なのか?疑問。)

いわゆるレッテルです。

…で、それはどうなんだろうと、我が国の難治性疾患(難病)について調べてみました。



1つの疾患につき、数万人。数十万人認定という疾患もあります。
「『難治性』という概念=治療法が確立されていない」のであって、
医療技術進歩で確立されれば「難病」というレッテルは剥がされます。
現に「難治性」から外れた疾患はいろいろあります。


さらに、難病と遺伝子の関連性について医学的見解を探しました。

専門用語は物事の理解を複雑にしますので、
一般向けに書かれた書籍をあさりつつ…。
東京女子医大、宮坂教授(難治性疾患治療のカリスマ医師・教授)書籍に、
とても興味深いことが書かれています。

「遺伝子がまったく同じ一卵性双生児でも、一人が発症したからと言って、
 もう一人は、一生発症しないのです。
 そこからわかることは、
 遺伝子(遺伝)にこだわるのは、間違った社会通念である。」…そうです。

なるほど。目からうろこです。


確かに、人間なんて、死ぬまでに脳の殆どを使わずに生涯終えますし、肉体もしかり。


日常(骨・組織を)破壊しないように脳がセーブ(脳の箍)しているのですから、
生涯を送る上で、その幅の部分の練習や訓練で、どうにでもなるように、思います。
…というのは、前出の「一卵性双生児の遺伝子」は、遺伝子情報は同一です。
けれど、
データ上は同一でも、芽が出る、芽が出ない。
データ上は同一でも、発病する、しない。    
…は、一概に言えない
明日、身に降りかかること、未来は、
自分自信にも、でも他人にも勝手に決められやしないのだ、ということです。
人生のチャンスもまたしかりです。

そういえば、マラソンQちゃんが発言していました。
「私は走りが遅く、全国大会43(参加都道府県)中、43位から這い上がって来た人間なんで。」

オリンピック選手の皆さんは、
「脳の箍(セーブ)」をはずすためのイメージトレーニングをするのですよね。
遺伝子が解明されたからと言って、スーパーヘモグロビンを持つ肉体などを除き、
人間大差ないような気がします。


> 教育現場としても有りがたいかもです。
> 教師はなんとなく「こいつはこれ向きだよなぁ」と判断して、その生徒に合った
> 役割を振り分けたり、「こいつにはこう言った方が効果的だなぁ」と判断して
> 話しかける内容を変えたりします。それが上手い人が「クラス経営の上手い人」と
> 言われているようなものです。

うーーん。
出来ないことを学ぶことで、人間って自信が付いたり、
輝いたり、いろいろな発見をするのではないでしょうか?


> また、遺伝子で本当にその人の特性が判定できるのなら、「変に向いてない方向に
> 努力するより、向いてるところで頑張った方が効率が良いやね」と、自ら判定して
> もらいたがる生徒は、少なくはないかもしれないですね。
>
> ミスジャッジがないと仮定してですけども。。。

> ミスジャッジがないと仮定してですけども。。。
余語さんが危惧されますように、
ミスジャッジがないということは、ありえないと思います。
隣国「ミスジャッジIDカード運用(国民総背番号制)」のように…。

今やスーパースターの世界のイチローさんも、
「僕は決して身体が大きいほうではなかったけれど、もって生まれたものが不利に思えても、
 自分もこのようになれると諦めないよう、皆さんに夢を与えたい。
 『お前はこっちが向いている』という指導教師が居たら、ふざけるなと僕が怒りに行きます。」…と。


Qちゃんも、イチローさんも、立証したご本人ですから。
自ら立証している人間の言うことは、書籍や結果の分析データよりも、
あてになるのではないでしょうかねぇ。
人間って、そういう生き物ではないですか?

まぁ、もしあの安打数を認めない、実証があるのに、ご自分には見えるのに見えないと仰る方がおられるのなら、もうそれは、色眼鏡の世界としか表現が見当たらないように思えます。
遺伝子データは、人類の起源2万3千年(仮定)の歴史を、「後で」振り返った際の、進化した結果分析情報ですから。あくまでも。


>Subject: [BlueSky:06096] 虫虫・・・9.11に思う その2
> ・・・しかし、その「脳の高度化」の方法は、私には思いつきもしま
> せん。なぜなら、その「脳の高度化」の方法を教わったことがない
> からです。「脳の高度化システムの学問」は、なぜか?どこにも、
> 作られていませんし、作られようとする気配さえありません。おそ
> らく、その原因は、時の権力者や支配者が、代々、それを阻んで
> きたことと、時の学問のほとんどが、時の権力者から与えられて
> 来たからではないでしょうか。
>
>                       ゲンゴロウ。。。


私は思うのですよねぇ。
「脳の高度化」や「遺伝子」や「選別教育」ということではなく、「知恵=体感による創意工夫」だと。


> また、遺伝子で本当にその人の特性が判定できるのなら、「変に向いてない方向に
> 努力するより、向いてるところで頑張った方が効率が良いやね」(余語さんスレ)

…のロジックの沿線上にあるのは、

> らく、その原因は、時の権力者や支配者が、代々、それを阻んで
> きたことと、時の学問のほとんどが、時の権力者から与えられて
> 来たからではないでしょうか。(ゲンコロウさんスレ)

…になりかねないロジックではないでしょうか。

管理者のための管理。
管理者都合のための運営が、自分の見に降りかかる事になりかねないと思います。

ちなみに、私は小学校にあがりたての頃、国語はなぜか成績がケチョンケチョンでした。


ある日、
掃除の時間だったか、表紙は同じ教科書なのに、教師用のは赤い文字で解答が印刷されているのを知りました。国語の文章問題で「主人公はここで何を言いたかったと思いますか?」というテストはいつも×だった理由が解った気がしたのです。
それは、すでに他界された作品の作者にヒアリングもせず、
「ここの箇所を言いたかったのだ」と印刷してある「あんちょこ」参照しながら、
「君の答えは間違っている。(あんちょこと違うもん。×。)」って教育しているんだーーってね。



劣等感があったからこそ私は頑張れましたし、そんなもんだと思います。
本人の気持ちはどうなのか?ですよね。
向いていないといわれたからこそ、興味を持つと言う事ってあるじゃないですか。

管理者都合ではなく、私達は霊長類ですから、誰にでも気持ちというものがありますよね。
気持ちと実行が伴わなければ何も実現しません。おトイレだって「行かなきゃ」と思って行く訳で…。
だから、遺伝子の選別教育というより「本人がやりたいことが見つからないからどうしても知りたい」というのなら指針にしたら?くらいの位置づけのものではないでしょうかねぇ。

もし自分がスーパーへモグロビンを持っているからとデータを押し付けられ、
役者を目指しているのに、南極観測体に強制的に入らされても困るでしょう。
拉致の世界ですよ。本人にとってみれば…。

今は、Only one(個性の時代→ 創造性、創意工夫)と言われる中、
遺伝子による選別教育は逆行してると思います。
でも、こういう話題を提供してくださったので、
いろいろ感じることが出来てよかったと思います。

溜まっていたので、長文になり恐縮です。
’読’ありがとうございました。  10.7 豊田

----- Original Message -----
From: "yogo" <yogo@mb.neweb.ne.jp>
To: <bluesky@sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Sent: Wednesday, October 06, 2004 9:35 AM
Subject: [BlueSky:06166] Re: 遺伝子と選別教育


> 横から口を挟んで済みません。余語と申します。
>
> <011401c4a00d$4e06bd20$e77ffea9@pithy.jp> の、
> "[BlueSky:06125] Re: 遺伝子と選別教育" において、
> ""driad" <driad@k2.dion.ne.jp>"さんは書きました:
>
>> 日本国憲法第二十六条:
>>  すべて国民は、法律の定めるところにより、
>>  その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
>>
>> その「能力」の測定方法の精度が上がることで
>> 困る人がいるとはとても思えないんですが…
> 現行の「教育」が、育てることよりも「選別」する存在になっていて、
> どうみても「こいつにこれを求めるのは厳しいだろ」というような課題を
> 与えて、結局、「できない」と評価し、「やっぱり自分ダメな人間だから
> その自分に納得して分相応の生き方をしないといかんのか」と説得する、
> そんな手段になっているように思われるのですが、現状の「教育」には
> なんとか「努力」することで、ちょっとは上のランクの人間と判定して
> 貰えるようなチャンスがあって、遺伝子による選別では、その努力の部分
> もなく、自動的にランク分けされてしまうのではないか?という不安・不満
> が起きてくるのではないかと思います。
>
> そうではなく、その人の「特性」に応じて、”より”適した「学習の場」が
> 用意され、その「特性」の方向性によって、結果、貧富の差が生じないような
> 社会的な受け皿(それぞれの特性から生産されるものの価値によって貧富の差
> が生じないような。これが難しい?)が用意されれば、持って生まれた能力
> とは違う尺度で選別されて、ダメ人間と烙印を押されてしまう現状よりは
> いくぶん良いのでは?とも思います。
> もちろん、「努力」したり結果を出せば、良い評価がされ、そうでなければ
> 悪い評価がなされるという、選別はアリでしょう。
>
> 「教育」というもののとらえ方の違いなのではと思いました。
> もしくは、「能力」の生かし方の方向によって、行き着く先に貧富?の「差」
> が生じてしまうような社会的な価値がある上では、その方向性をあらかじめ
> 決められることが大きな問題をもつ、という危機感でもあると思いました。
>
> 「遺伝子」による「選別」「教育」が、人の人生を選別するための教育ではなく、
> 受けることの出来る教育がより適したものに選別される、という方向ならば、
> 抵抗感はぐっと低くなるのかもしれませんね。
>
> 教育現場としても有りがたいかもです。
> 教師はなんとなく「こいつはこれ向きだよなぁ」と判断して、その生徒に合った
> 役割を振り分けたり、「こいつにはこう言った方が効果的だなぁ」と判断して
> 話しかける内容を変えたりします。それが上手い人が「クラス経営の上手い人」と
> 言われているようなものです。
>
> また、遺伝子で本当にその人の特性が判定できるのなら、「変に向いてない方向に
> 努力するより、向いてるところで頑張った方が効率が良いやね」と、自ら判定して
> もらいたがる生徒は、少なくはないかもしれないですね。
>
> ミスジャッジがないと仮定してですけども。。。
> ------------------------------
> 余語 宗紀 (よご)
> yogo@mb.neweb.ne.jp
>


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