[BlueSky:06163] Re: 遺伝子と選別教育


[From] "genngorou" [Date] Tue, 5 Oct 2004 21:59:08 +0900


こんばんは、ゲンゴロウです。

 「遺伝子と選別教育」スレッドの投稿を読んで、遺伝子と選
別教育の問題は、「人間が他者(自分以外の者)によって選
別され、しかも本人の意思が反映されない」ということが問題
なのかもしれないなと思えてきました。

 人による人の選別は、現実社会で、実際、存在します。遊び
仲間選びしかり、恋人・結婚相手選びしかり、入学・就職しかり
です。
遺伝子による選別も「選別」には違いありませんが、人間成長
のかなり早期、というか誕生以前にも行うことができる遺伝子
選別では、本人はまだ誕生以前であったり、幼いということで、
必然的に本人の意思がまったく反映しにくい段階で、”他者に
よる選別”のみによって行われます。

 他者によってのみ行われる選別の場合、たとえ選ばれた人
間として誕生し、成長しても、その人間には「本人の意思がま
ったくない場所で選別行為が行われる」という、それが起こり
ます。
 選別の善し悪しの決定の場にも参加できず、ましてや選別
に立ち会うこともできないのに、そのことが必然性と妥当性と
なって、まるで欠席裁判の様なことが正当化されるのは、おか
しなこととはならないのか?という疑問が生まれませんでしょ
うか。

  しかしながら、実のところ、人間の自然な誕生でも、当の本人
は関われないし、堕胎などという選別も、今すでにあります。
しかし、その選択(堕胎)では、親以外、他の人間の意思は絡ん
ではいません。そして、この堕胎でも、親がむやみに選別に関
わることは許されているとは私には思えませんので、遺伝子選
別は、、ほんとに、問題を含んでいないのか?と。。。
このように考えてくると、堕胎も、遺伝子選別も、人間が経済シ
ステムに翻弄されている姿が見えてきます。国際競争に負けれ
ば喰うに困るということで、それが行われ、結果、もし人間が翻弄
されるならば、やはり、経済至上主義をも問い直す必要があるの
かもしれないな、、と思えてきます。

−−−

 ところで、こうして考えてみると、もう一つ、今までにないことが
起きる可能性が見えてきます。人は、これまで、誕生する子の
「人間性」を尺度として選択することは出来なかったわけですが、
もし、遺伝子からその人間の性質までも分かるようになった場合、
遺伝子による選別は、人間の資質でもって選別を行うことになり
ます。この「人間の資質(性質・能力)」というものは、それこそ人
間本質そのものなので、人間が、それによって選別されることに
なります。

 この様なことが推測できる中で、もしも、人の選別に際し、他者
という人間の意思のみによって選別ができるようになれば、他者
によって、自分の性質で選ばれ誕生した場合でも、その後に、人
は、どういう心境になり、あるいは、いかなる力関係が社会に生
まれるかという不安も生まれてきます。

 実際、遺伝子選別ではありませんが、現実には、もう幼稚園、
小学校の段階で選別が行われていますが、それをもって、人間
選別が妥当だとするのは性急な考え方かもしれません。もしか
すると、中学、高校、大学といった段階での選別までもが、実は、
人間の尊厳を脅かしているのかもしれないと、もう一度、考え直
してもよいのかもしれません。
本人が努力し、チャレンジして、選別結果に納得する場合には、
おそらく問題はないのと思いますが、社会システム的に、本人が
納得しないままに選別の洗礼を受ける者もありそうで、そのよう
な者の心理的なダメージも、考えても良いかもしれません。

また、社会システム、あるいは国家システム的に選別が起こると、
私の誕生は国家が選んだとか、私の誕生は地下組織(ゲリラ)が
選んだとかであると、「お前は生まれながらに俺達の同胞なのだ!」
とか、「お前は、ゲリラの子なのだ」などということになるような気も
して、そうなると、まさに人間の意識の元をいじくられることにもなり、
それも人間の尊厳に関わることにもなるのかな?と思ってしまいま
す。
また、人間は成長過程で環境によって変わる、あるいは変わる
自由があるのに、「お前の選別は、こういう性質が期待されてい
たのだ!」というような暗黙の強制圧力も生まれてくるかもしれ
ません。

 本人の意思決定の段階という観点で言えば、何も判断能力の
ない就学時以前の選別に、あらかじめ機会(チャンス)を与えて
いるのだからということでは、もしかすると済まないかもしれません。

ところで、なぜに就学以前なのか?と考えれば、そこに、やはり、
経済至上主義とか市場主義が大きく影響を与えているような気
もします。そのあたりのことも私としては考えたいところです。

 この遺伝子選別によって誕生し、道を選ばれた者が、仮に、
育った場合でも、自分の人生の選択が経済至上主義とか、
市場主義とか、効率主義の結果であったと、やがて知るわけ
ですが、それ以前に洗脳に近いことが行われていれば、たと
え、後から知っても、何も考えることが出来ないということが起
きかねず、「それって、どうなんだろうか?な?」と思えてきます。

−−−
 私には人間の尊厳がなんであるのかよく分からないのですが、
もしかすると、人間の尊厳は人間が人間に関われば関わるほど
に希薄になって行くものなのかな、、とも思えてきます。

また、変なことを言っていたら、教えて下さい。





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