[BlueSky:06091] Re: 浅間山の灰かぶりキャベツ


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Thu, 09 Sep 2004 02:00:01 +0900

澤口@一升金です。

Y.kuzunukiさんの<2004090616482875dkyk@nifty.com>から
>大規模産地の場合、廃棄をどう分担するか、農協で決めたりするの
>ですか?
県をまたぎますので、近い産地同士は県同士の仲介で生産組合
相互が話し合いをして決めます。

>うちの近所には葡萄、梨等の果樹農家があるのですが、銘柄ごとに
>1kgあたりの小売り価格が決まっていて、近所でとれたものは、
>スーパーで買っても、近所のどの農家の庭先で買っても、同じ価格
>です。他の地方でとれた葡萄を青果市場から仕入れた場合は、売り
>手が価格を自由につけられるなんてこともあるのでしょうか。
共同販売所というのはそこらが難しいです。一応建前は生産者
が自由に価格をつけられることになっていますが、同一品を突
出した安値で販売されると、儲かるとか儲からないとかいう以
前に、全品目で値付けの信用がなくなります。ま、そこらは近
所のよしみで、あうんの呼吸で値段を揃えるわけです。
野菜というのは値段を半分にすれば倍売れるというものでもな
いし、値段を倍にすれば売れ行きは半分ではなくてゼロになり
ますから、よほどの大量販売をするのでなければ、価格をいじ
りまくっても詮無いことです。

>探しているような印象を受けました。手取り1個10円を切るキャベ
>ツを生産して、農家はそれなりの利益が得られるのでしょうか。
うっちゃっておけるなら良いのですが、畑にほおって置くと
病害虫が蔓延したり、腐った野菜で蠅が大発生したりします
ので、経費を掛けてでも破砕して土に埋め戻すしかありませ
ん。多少の赤字でも出荷できるに越したことはないのです。

>生鮮食品の価格が決まっていく過程は、ブラックボックスだなぁと
>思います(^^;。
いや、基本的には購入者の持っている相場感で決まります。
料理店は材料費が安くなったといってもちょろちょろと値段
を変えたりしないわけですが、これはいろいろな素材を混合
していることと、加工に一手間かけていることから、一種の
バッファとして価格変動を弾力的に吸収できるわけですね。

農業の株式会社化で効率と称しているのは単品集中生産によ
る低コスト化を指しているのだと思いますが、その場合は流
通や出荷先も固定化していくことになります。価格変動や雇
用変動の吸収力は無くなっていくでしょうね。
生産現場だけでの大規模化で効果があるには、商品の絶対数
が不足している場合であって、国内市場は少し天候が良けれ
ばすぐ飽和しますから、バッファとハブに相当する部分に手
を入れなければ、価格変動を大きくする方向に働くと思いま
す。


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