[BlueSky:06044] Re: 雑メール 三猿と眠猫


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Wed, 11 Aug 2004 16:34:07 +0900

葛貫です。

ゲンゴロウさんwrote:
> 葛貫さんとお話ししていると、だんだんと、深い方向に、
> 私は行ってしまいます。。

ゲンゴロウさん、聞き上手というか、予め正解を設定した問いを発
し、それに向けて誘導したりなさらないから、それに私が加わると、
で、もともと何の話だったっけ(^^;?、という迷子状態になってし
まうことが多く、申し訳なく思っています。

> 耽美とは、こういう絵のようなことを指して言うのでしょうか。

耽美というと観念的で、美の世界とデカダンスの間で揺れ動き、
どこか遊んでいるような印象があるのですが、ルドンの絵からは、
ありのままで、痛々しいほど、切実な感じを受けました。

若い頃のルドンの描いた目は、目玉に比べて身体が貧弱で、どちら
かというとガラス玉のような無機質な感じがして、根なし草のよう
に寄る辺なく、空中に漂っているように感じられました。

それに対して、晩年の、嫉妬に駆られ恋敵を殺そうとした cyclops
の目玉は、大地から生えて、いずれ大地へもどるという感じがする、
どっしりと安定した身体を持っているように感じられました。

> もしも、
> 原爆の怖さを知りたくても、本当の爆心地は跡形もなく蒸発
> あるいは、吹き飛んだので、写真にも残っていない。また、
> 写真には、蒸発した人の、それまでの人生、周囲の人間関
> 係(家族など)も写っていない。さらに放射能によるさらなる
> 悲惨さも写っていない。そういう目に見えないものを見る目
> を持たなければ、実は本当の原爆の恐ろしさは分からない。

そうですね。
私には、ルドンの絵の cyclops は、自分の行為について弁明した
り、その背景にあった思いや願いを伝え残すことができずに、土に
もどっていくことも肯としているように、感じられました。

眠り猫に還りようがないほど変な方向に話が行ってしまいました。
では。


追伸:
[BlueSky:06036] 虫虫・・・「心的な疎集団と密集団」を読んで、
[BlueSky:06026]で書いて下さった安心と安全の違いについては、
「日本の食は、衛生管理や様々な規準値の制定によって、客観的に
見れば、世界で一番安全な食といえる水準にあるけれど、完全に安
全な食は、地球上に存在しえない。消費者が、不安をいだくかどう
かは、生産者、流通業者、国や自治体が、私を裏切らないと思える
かどうか、お互いに信頼できるコミュニティーの一員であると思え
るかどうかに負うところが大きい。」というようなコメントがあっ
たな、と思い出しました。



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