[BlueSky: 5887] Re:5886 農薬などの河川への流出について


[From] "suka" [Date] Tue, 9 Mar 2004 16:33:55 +0900

山口さん

ご返事ありがとうございます。

山口さん:
> 合法的に進められている行政の行為、特に国がやっている結果で
> 海辺の自然環境を痛めつけた状態が子孫に残されようとしている事、
> と見て、それをどうしたらよいかという問いと受けとめます。

おっしゃるとおりです。わたしの質問の意味を適切にご理解いただいて
感謝しております。

山口さん:
> NACSJみたいな、きれい事のただの「事業反対」運動は役に
> 立つかどうか知りません。相変わらず、「希少な」ものが「貴重」で
> それの保護が大切という論法ですね。「自然保護」という言葉は
> 誤訳されてできたものと考えていますが、自然は「保護」の対象
> ではないというのが私の考え方です。何が人間の持続的な生存
> にとって気持ちがよい環境であるかを考え、その中で海を視野から
> 外さないでください、というのが私の基本的なスタンスです。

よくわかります。海についての認識は甘いと自分のことを思いますが、
「自然保護」ということばについて考えることはわたしも同じです。

ことばや運動のイメージはどちらかというとどうでもいいことで、
要は中身や実効性だろう、そのなかで試行錯誤はあるだろうが、
それをすべて否定してしまえば長期的には進むべき方向に進む
ための基盤さえ切り崩してしまうことになりかねない、ともわたしは
思いますが、この点については意見が一致しないかも知れませんね。

運動にせよ何にせよ、遠くからみていると「きれい事」にみえる
ことはよくありますが、それが本当に「きれい事」と切り捨てて
すませられるものかどうかは、現場に身をおいてみないとわから
ないだろうとも思います。

もっとも、わたしは自然保護協会の会員でもシンパでもありませんし、
「自然保護」ということばのイメージにさそわれて今の職場に就職
したわけでもありませんので、この感じ方をわかっていただけるか
どうかは心もとないのですが。単に「自然保護」イコール「きれい事」
という紋切り型のとらえ方が、きらいなだけかもしれません。

運動の実効性ということを考えるなら、NACS-Jは科学的調査の
重要性ということを主張しているようですし、その点では山口さん
のお考えとも一致する部分があるように思いますが、これはわたし
の理解のおよんでいない部分でしょうか。

一致しない部分があるから、協力はできない、という姿勢を多くの
ひとがもっていることが、環境問題の解決にせまる力をよわめて
いる場合が多々あるという印象をわたしはもっています。

ちょっと脱線しすぎましたね。

山口さん:
> 浅い海をむやみに埋立てることは、水産資源破壊につながるので
> 控えるべきことですが、沿岸水産資源に依存しているはずの漁業
> 協同組合が埋立補償金で赤字経営を解消するような依存構造が
> できています。このような構造的な負のフィードバックを食い止める
> ためには根本から何がどうして悪いのかを見極める必要があります。
> 国費をぶち込んで、高率補助事業をやるようなシステムが病原です。
> 事業をする理由が後からついてくるような姿は不健康です。

なるほど、ここをどうしたらいいのか、まさにわたしも興味をそそら
れるところです。

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 須賀 丈(すかたけし)
 長野県自然保護研究所
 電話: (026)239-1031
 Fax: (026)239-2929


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