[BlueSky: 5882] Re:5880 農薬などの河川への流出について


[From] "Yamaguchi" [Date] Tue, 9 Mar 2004 13:10:58 +0900

葛貫さん、

> 藻場造成事業の報告書を読んでいても、今ひとつピンとこないので
> すが、藻類や海草の生育環境(物理化学的、構造的)を破壊した根
> 本問題というのは、どういうものになるのでしょう。
> (水域によって異なるとは思いますが。)

話せばとても長くなるテーマです。簡単に総括すれば、藻場の形成・
維持の仕組みについて基礎研究が行われていないまま、試行錯誤
で移植などをやっているのが問題です。これまで、環境庁の藻場調査
の孫受けを2回やって分布状態の時系列変化を空中写真で読んで
みた経験と、藻場の貝類分布調査を海外も含めて各地でやってみた
経験からのヤマカンですが、藻場はできるべくしてできる場所、環境
のもとにできていて、動的平衡状態で存在する、という認識です。

海岸地形を変化させると流動、波浪条件の変化を伴って堆積環境が
大きく変わり、藻場形成場がシフトすると見ています。無理やり移植
しても駄目なんです。沖縄で最近ドタバタやっていますが、埋立てに
伴う「も場の移植」なんて、とんでもない無駄な試みです。コンサルが
儲かるだけで、将来的に意味のあるデータが残らないような調査に
お金が浪費されています。役人の(環境に配慮しましたという)アリバイ
つくりに参加している御用学者たちは恥を知るべきです。

山口


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