[BlueSky: 585] Re:562 集団生物とことば


[From] GENNGOROU@aol.com [Date] Tue, 24 Aug 1999 06:20:41 EDT


中澤さんへ。。
わたしにとって、貴重なことを
教えていただくこと、ありがたいです。


                   ゲンゴロウ。

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> Mon, 23 Aug 1999 18:46:08 +0900頃,SUKAさん:
> > ***(生物学に特に興味があるひとのための余談)***
> > Moritz & Southwick (1992)Bees as superorganisms.という本
> > によると、1928年にWheelerがsuperorganismということばを使
> > っているそうです。日本では今西錦司が『人間以前の社会』(1951)

中澤さん(562)
> さらに余談ですが,人類学では,superorganismといえば,
> クローバーが1917年に書いた論文で提唱された概念で,
> 「超有機体」と訳されます。

「超有機体」ですか・・・・
新しい概念は、いつでも、訳語が大変に重要になりますね。
「超」だなんて、最近の若者言葉みたいで、おもしろいです。
その当時、認識されていない物事に、「超」をつけたくなる
気持ち、わかるような気がします。

それにしても、
それを訳した人も、訳を頼んだ人もいるのですねえ。。


> 当時の人類学界では,社会進化論が主流を占めていて,
> 生物進化の法則が同時に社会をも支配しているのだという
> アナロジーが当然視されていましたが,クローバーの
> 超有機体論は,これに反対するもので,

この部分、とても、気になりますが、、
むずかしい内容みたいです。。

> 「文化は生命現象とはレベルを異にする自律的,閉鎖的な
> 現象,したがって超有機体的現象であって,個々の人間の
> パースナリティの偶有性は超有機界自体の偉大な力のまえ
> ではほとんど無意味な存在と化する」という主旨のものだ
> そうです。
> (出典:松園万亀雄「クローバーの理論」,蒲生正男[編]
> 『現代文化人類学のエッセンス』ペリカン社, 1978年)

わたし、文明は人間の「うんこ」と思っていまして、
人間が作ったものだけど、人間とは、まったく無関係な存在で、
それが、人間を苦しめている元凶では、と考えています。
人間の脳で対処出来る以上の高い塔にそびえ立った塔に
新たに生まれた人間がさらに高くしてしまう。。
その高さと来たら、
「一人の人間の脳 : 過去の人類の脳の総量」
ほどあると考えています。
蓄積する知識が悪いと思い、文字とか紙がなかった時の
人類の安楽な生活をうらやましいと、思います。

わたし、子どもがしたいことと、わたしが子どもの行く末を
心配して子どもに課すことの矛盾に、いつも、とまどっています。
人間が生きるために対処して出来たために蓄積した結果の文明の
高度さを、恨んでいます。
勉強なんかさせたくないのに、させないといけない。。

> クローバーは,女性のスカート丈の変化を例に挙げ,ロング
> の流行50年の後にはショートの流行50年が続き,およそ100年
> で一周期を終えるように見えることから,個々の人間の意図
> とは無関係に,文化現象のレベルでの規則的な運動,つまり
> 超有機体としての文化が存在すると論じています。
> クローバーの意味でのsuperorganismは,げんごろうさんの
> いう集団生物とか精神生物に近いですね。

驚きました。。あるんですねえ、、そういう考えが、、、
わたし、普通の図書館とか書店で、
自分の考えたことに近い本をずっと探してましたが、
探し方が悪いのか、探す場所がわるいのか、、
全然ありませんでした。
やはり、こういうのは、考えるにも値しないことのかなあと
思ってました。なので、
このこと聞けてとても嬉しいです。なんか、救われます。

> ちなみに,クローバーの見解は,当時の学界から極度の異端
> とみなされたために,考え方そのものだけが批判の的になって
> しまい,論理としての正否は十分な議論をされたことがない
> そうです。

なんだか、クローバーという人、
かわいそうな人ですね。。

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質問をして、申し訳ないんですが、、、
この際、ずうずうしくならせていただき、、二つ質問をさせてください。

● 今は、日本にこのような「クローバー」的な考えをしている方は
  いらっしゃるのですか?

● 中澤さんが研究している、人類生態学とは、どんなことなのでしょう。
  生物学的な学問なのでしょうか、それとも社会学的な学問なので
  しょうか、あるいは、まったく違ったものなのでしょうか??
叱られるかもしれませんが、私なりに人について考える場合、
  医学、哲学、心理学、精神学、社会学、生物学など、すべての
  考え方を結集しないと片手落ちになり、いけないような気がします。
  それと、錯覚学とか、現象から生まれる現象の仕組みなどの学問も
  作って行かないといけないように思います。
  でないと、人というものが、まったく違った存在に見えてしまうと
  思うのです。。が、そういう新しい学問なのですか。。


忙しいと思いますので、時間のある時で結構ですから、
どうか、教えてください。

最後に、私にも分かる言葉使いでお話ししていただいて
いることと、理解しようとしていただいていることに
感謝します。

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GENNGOROU





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