[BlueSky: 5829] Re:5827 全国総田舎化計画


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Sun, 29 Feb 2004 02:02:33 +0900

澤口@一升金です。

Minato Nakazawaさんの<200402280831.AA00346@phi.ypu.jp>から
>ビジネスならば,その連関は直接でなくてもいいのでは?
>食べ物よりもビジネスに情報をくっつける方が相性は良さそう
>な気がします。
えーと、一部の小売り業種ではその通りなのですが、ビジネス取引
というのはメールのやりとりや会社概要の閲覧だけではすみません。
吹きまくる営業や経営者ってのは珍しくないですから、どうしても
本人申告以外の別な情報ソースで長期的な信頼性を担保する必要が
あります。
まぁそれに、都市機能は個人に対しても複合的な働きがあります。
昨今問題になっている地方の医師不足問題がありますが、給与面で
は東京はせいぜい1500万、岩手では1700万円以上です。
それでも医師が来ないのは
・症例が集まらないので、論文が作れない
・先端知識は直接に話す機会がないと得られない(論文や Web 記事
 として発表されたからでは遅い)
・有名高校や有名大学が近くにないと、子弟の教育に不便
・金があっても高級レストランや有名店がない。社交の場がない
・患者と話があわない、というより言葉や生活習慣がわからない
要するにライフスタイルが合わないわけですね。
ハイソな人は都会に集まりますし、その人たちを相手にビジネスする
人も都会に集まらなければ商売にはなりません。
自由主義経済は余剰な富を生むことを持って社会成立の基盤とするわ
けですが、経済というのは富の交換回数であって、必然的に循環効率
のよい都会に集中するわけです。

>見通しのよいネットワーク技術ができれば問題は解決ですね。
いや、所詮ネットワーク技術は「見せたいものしか見せない」わけで
すから、シビアなシーンやナイーブなニュアンスを押さえる役には立
ちません。
例えば、わたしが生活資金を稼いでいるプログラミングのお仕事など
ですと、きちんとした仕様書さえあれば別に相手の会社に常駐する必
要はないのですが、通常は顧客側に十分なプログラミング知識はあり
ませんし、特に先端試作的なものですと、顧客側でも何を要求すれば
よいのか把握していないケースが往々にしてあります。
これなどはリアルタイムに話し合いながら、相手のイメージを現実的
な技術インタフェースに翻訳するしかないわけで、ネット越しではど
うにもならないわけです。


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