[BlueSky: 5695] Re:5692 緊急提案「学校教育改革」


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Mon, 26 Jan 2004 11:39:27 +0900

こんにちは、葛貫です。

横山さんwrote:
> もはや看過できません。多くの学校は今すぐ、「教育」と言う看板をはずして「訓練」
> に架け替えるか、義務教育制をやめて未来の有為の若者の精神と頭脳を守るべきです。
> あるいは、この内容に心底異を唱える先生方の反論を待っています。最近時々本MLを騒
> がせている「複雑性議論集団DGC」やそこから生まれたサイバーシンクタンク「NPO/DGC
> 基礎研究所」のメンバーは不思議とそう言う学校の影響力に感染しかなった人々の集団
> です。オフ会をすると「学校?なにそれ?」みたいな人々がぞろぞろと・・・

「考えるな覚えろ!」の壁に窒息させられず、考えるためというか、
主に自身の好奇心を満たすために今迄動いてきたんだろうなと言う
感じが見え隠れする、あの人、この人の顔を思い出し、吹き出して
しまいました(笑)。

昨年からぼんやり思っていたのですが、例えばウンベルト・エーコ
の「薔薇の名前」の舞台になっている中世キリスト教会が支配して
いた時代は、蓄積されてきた知識や、その分野の前線にアクセスし
たいと思ったら、それなりの手順を踏んで、口伝を承る権利や、
手書きで書き写された数少ない本を閲覧する権利を取得しなければ
ならなかった。

その後、印刷技術が普及して、本が量産されるようになり、文字さ
え読めれば、一般教養的な知識は比較的に入手できるようになった。
そういう意味で学校で、読み書きそろばんを教えてくれることは、
とてもありがたいことだなと思います。
でも、まだ、専門的な知識は、一般人が容易に入手できない本や、
容易に理解できない専門用語で書かれていて、それをクリアするた
めには、「考えるな覚えろ!」の関門を通過しなければならない。

でも、今、インターネットという新しいツールを使いこなしつつあ
る人々の間では、その関門はあまり意味をなさなくなっているので
はないかな、と思います。

本当に知りたいと思ったら、本という「物」を入手するまでもなく、
玉石混淆の感もあるけれど、ネット上にいくらでも取っ掛かりが開
かれていて、わからない専門用語も比較的容易に調べることができ
るし、「知りたいこと」の最前線にいる人達にアクセスすることさ
えできる。もちろん「知りたいこと」に実際に関わるためには、
基礎的な知識を身につけたり、その場で使われている言葉に慣れる
必要がでてくるけれど、関門通過のための学習とは違い、もっと、
自発的にかかわれるようになってくるのではないかな、文科省の管
轄とは別のところで教育改革は着実に進んでいるのではないかな、
と思われます。

最近、一度でいいから、加工済みの情報の伝達を生業にしている人
ではなく、現場を肌身で感じとっている一次情報の発信者に、子供
を会わせてあげたいな、そういう人達が持っている気風を感じさせ
てあげたいなと、すごく思います。

そうそう、これは機会があったらDGCbaseのオフ会の時にでも、
うかがってみたいなと思っていたのですが、【5678】とも関係があ
りそうだと思うので。ガウディが構想したスペインのサグラダ・フ
ァミリアという教会は、着工後120年経った今なお、その建築に関
わるために時間をつくろうという多くの芸術家・建築家・職人さん
を、世界中から呼び集める魅力を持ち続けているそうです。
ガウディは、詳細な設計図は描かなかったそうです。
でも、彼の死後80年近く経過した今も、その場で、何かが受け継が
れ、何かが共有され、それに惹かれて有能な人が集り、つくり続け
られている。協働の場に、必要な何かがそこにあるように思われて
なりません。何なのでしょうね。



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