[BlueSky: 5656] Re:5654  諸子百家


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Fri, 09 Jan 2004 13:30:41 +0900

和尚さん、こんにちは、葛貫です。

> > >  心の赴くままに生きて、法を犯さず、他人を傷つけないのが人生の達人だと、
> > > 中国の古い教えに有ります。

> 孔子の論語じゃないですか?
> 上はその孔子にして70才の境地ですね。

ありがとうございます。
孔子だったんですね。
阿部さんの書かれたものを読んで感じる端正さの源が少しわかった
ような気がしました。

> また3月にアルゼンチンです。彼の地で日本の平和を懐かしく思うのでしょうね。
> 待ちを歩く人の4割は拳銃を所持しているとか(大使館情報)、武器もって歩かなくて
> 良いなんてのも「平和」の印の1つでしょうね。しかし彼の地では「自殺?そんなの居
> ないよ」ってな具合で、貧しくとも、銀行が閉鎖されても顔に不幸の色がない。

3月だと彼の地は秋に向かう頃でしょうか。
昨年の5月、アルゼンチンの穀倉地帯が史上最大規模の洪水に見舞
われたというニュースをみかけました。今年は無事収穫できるのか。

そうそう、↑を読んで、吉本ばななの「窓の外」(幻冬社文庫)の
一節を思い出しました。

*********

安全な国にいるわけでは全くないのに、とても安心している。
・・・中略・・・
幸福な時に幸福と感じることはめったにないのに、その瞬間、私は
幸福だと感じた。肉体と、精神と、時刻と、状況が全部上手につり
あっている時、人はそう感じるのだろう。
・・・中略・・・
暗くて全然見えないが、窓の外には巨大な滝があるはずだった。
・・・中略・・・
「日本のどんな山奥でもこういう重さはないね。まるでねっとりと
うねっているみたい。」
私は答えた。
「押しつぶされそうなくらい。」
「朝顔のたねを、発芽しやすいように少し切って水につけておくと、
朝、にゅっと芽が出ていることがあるのだけれど、それを見ると、
いつも、生命って尊いとか、美しいとか思わなくて、気持ち悪いと
思うんだ。厚かましくて、露骨で、強引だなって。でも結局感動す
るんだけど。あの気持ちに似ている感じがする、ここの自然は、何
だか、力が強すぎて、もしも自分が弱っている時だったら、強烈過
ぎて、胸やけがしてくるようだろうね。」
「こんな自然の中では人間なんてつるつるの裸でおびえるかよわい
生命だって心底思えてくる。豹や、サルや、えたいのしれない植物
や、変な虫たちの方が生き生きして見える。全然負けているって思
えた。」
・・・中略・・・
私は話しながら、南米の文学を思い返していた。日本の柔らかく繊
細な四季の中で読んだ南米の文学は、どこか理解できないところが
あった。文章を超えてその全体のムードからしてすでに唐突で野蛮
な生命力を持ち、美や生命に関してはもはや殺人的な力さえみとめ
ているように思えた。狂気に近い精神の昂揚と、日々の地に足がつ
いた同時に成り立つ世界観があった。ここに来て、はじめてその感
覚が強くよみがえり、少しだけ理解できるような気がしてきた。な
にも人間の理屈でまとめようとしないその力を、男も女も大地から
たっぷりと吸い上げ、毒々しい生命の花を咲かせている。この様々
な気配をごちゃ混ぜにふくんだ濃い闇、ジャングルから届いてくる
むっとする青臭い空気、多分存在する、目には決して見えない、お
どろおどろしい色彩の精霊たち・・・・。
私はそれをただただ近くに感じていた。この、冷房の聞いた心地よ
い部屋の窓かラスを今にも突き破って部屋にずるりと入ってきそう
な真っ黒い夜を。

*********

昨年の年始にHさんと登られた紀州の深山幽谷もこんな感じだった
のでしょうか。まだお会いしたことがないのですが、深山幽谷の混
沌を体験し、内面の奥行き、深さ、柔らかさを、より増したとして
も、やはりHさんは端正に御自身を表現なさるだろうなと思ったこ
とを思い出しました。


> > 年末に入手した「狂ったサル」を読みはじめたところです。
> > ベトナム戦争の頃に書かれた本なのですね。
>
> 私が読んだのは昭和53年ですからね。随分古い本を薦めてしまいましたでしょうか。
> 若かりし日の私は目から鱗の経験を何度もしましたね。

入手するのに苦労しました。
古本屋さんで、やっと見つけました。
まだ、途中なので、感想は後程きいて下さい。

> 何時も誰かと繋がってないと不安になる。そのた
> めの携帯電話やインターネットも武器の一種なのかも知れませんね。
> せっかくの文明の利器ですから、もっと楽しく使いましょうよ。

そうですね、そうしたいですね。

では。


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