[BlueSky: 5462] ゲンゴロウ通信 (23世紀のゴミ問題)


[From] "ゲンゴロウ" [Date] Wed, 22 Oct 2003 06:34:27 +0900


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23世紀のゴミ問題
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 今、この21世紀初頭の世間では、ゴミの分別、ゴミ処理、
再利用、資源ゴミなどという、「ゴミ!ゴミ!」という声が、
ことさら大きく聞こえますが、実は、23世紀でも、やはり以
前として、ゴミ問題はありました。

 23世紀初頭、UORーOG−NEGという企業が、物質電
送機の開発途中、「原子レベル物質分解再生装置」なるものを
開発しました。それは、あらゆる物質を原子レベルまで分解し、
なおかつ他の原子組成物質に再生してしまうという装置でした。
つまり、その装置は、どんな不用なゴミも資源に変えてしまう
装置でした。

 その装置の登場当初は、22世紀のゴミ問題が解決したので、
何も問題はなかったのですが、環境にも優しいその装置は、瞬
く間に大量生産され、各家庭に一台装備されるようになりまし
た。すると、世間から、またたくまにゴミがなくなってしまっ
たのです。皮肉にも、それが、大きなゴミ問題になりました。

 21世紀から22世紀後期まで、環境問題の中のゴミ問題は、
大きく前進し、世界の経済構造は、まさにそのゴミ処理、ゴミ
再利用などを中心に形作られていたのです。そこへ、「原子レ
ベル物質分解再生装置」が登場し、ゴミが排出されなくなりま
した。世界的な構造変革が起きました。それが大変な事態であ
ることは、想像にお任せします。。

 私が、興味を持ったのは、その前後の人類の思考です。

世界からゴミが消えた時、初めて人類はゴミの大切さに気が付
いたのですが、同時に、人類は、「ゴミを役に立たない物と決
めつけてゴミと感じていたのだ。ゴミを役立てる能力がない私
達がいたからゴミが存在していた」ということを知りました。
私にすると、「失って愚かさに気が付く」というそれは、とて
も人類的であるなと思いました。
また、ゴミがなくなったのに、21世紀の人たちと同じように、
やはり「ゴミ、ゴミ」と言って歩き回っていることも、実に人
類的であるなと思いました。

 根こそぎ何もなくなった穴だらけ大地の上を、たくさんの人
たちが、「何処かに、ゴミはないかあーー!ゴミは!!」と歩
き回っていたのです。。。


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  ゴミはなぜ?存在するのか・・・
   ゴミがなくなるということはどういうことなのか・・・
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     ゲンゴロウ
      gengorou5656@yahoo.co.jp

 「ゲンゴロウ通信」は、お話(フィクション)です。
 「虫は虫なりに一つの考え」は、意見であり随筆です。
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