[BlueSky: 5417] Re:5414 日本の人口


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Thu, 09 Oct 2003 11:58:13 +0900

和尚さん、こんにちは、葛貫です。

昨夜、22:00頃、ベランダに出てみたら、

 牀前月光を看る
 疑ふらくは是れ地上の霜かと
 頭を挙げて山月を望み
 頭を低れて故郷を思う

という李白の「静夜思」が、思い浮かんでくるるような月光が深々
と降り注いでいました。
たまには、静かに月光浴してみるのもいいですね。

和尚さん wrote:
> 最近長らく日本に住んでいますが、日本人の不甲斐なさに飽き飽きします。
> 口を開くと不景気だと言いますが、日本のどこに飢餓の人々が居ますか?
> どこに行きながら身を戦火に焼かれる子供たちが居るのでしょうか?

丁度、昨日、国連人口基金(UNFPA)が2003年の「世界人口白書」
を発表したのですね。
日本語版:http://www.unfpa.or.jp/publication/2003.pdf

「地球の人口63億人、半数25歳未満 10代も12億人」
http://www.asahi.com/national/update/1008/036.html
という記事を読むと、全世界からみると、日本という国が抱える悩
みは、かなり贅沢で特異なものなんだなと思います。

> 前に私が問題にしたのは、皆さんの前の世代のことです。皆さんを生み出すために命を
> かけて生き抜いた人々のことを無視して結局「自分たちは今の豊かさのレベルを維持し
> たい」と言っているだけなのですよ。これに異論のある人は、じゃ誰があなたがたを育
> てたのでしょう?と問いたいです。最後は、親の世代の命の貯金を喰い尽くして、将来
> の世代には何も渡したくない利己的な自分たちが現れるだけなのです。浅ましい限りで
> すね。

和尚さんが、仰しゃるような面もあるかもしれませんが、私(42歳)
の4世代、5世代、それより前の世代は、ある程度豊かでない限り、
自分自身が生き抜くために、今の時代の人権主義者が目をむくよう
な間引きや姥捨てに、自身の手を染め、黙々とその感触を背負い、
自分がそのような扱いを受ける可能性を受け入れながら生きてきた
ということなのではないかな。

生活基盤に揺らぎがあっても「間引き」や「姥捨て」をしないで済
む生活をしようとするのはひとつの知恵なのではとも思います。
今、維持したいと願っているレベルは、それ以上なのでしょうね。

まぁ、そうして個人が、少なくとも自身の暮らしを何とか遣り繰り
しようとしたところで、大国の都合で土台が目茶苦茶にされてしま
う場合もあるわけですが。

> 人口問題を若年層や政府の施策に問うと前に身近な人々に、自らのどう言う
> 生き様を遺すのか、未来の世代に何を残すのか?を残された時間で真摯に考えることを
> お勧めします。

先日、痴呆の姑さんを介護している友人と会ったのですが、子育て
とは違い、いつ終るという見通しのない介護には凄惨なものがある
ようです。

実際、高齢者の介護に携わったことのある人達、あるいは耳年増に
なっている人達は、これから、失われていくもの、できなくなって
いくであろうことに焦点をあて、未来に何を残すのか、ということ
より、どれだけ迷惑をかけないで済ませられるかと、だんだん縮こ
まっていってしまうように思われます。
「まだできること」に気を向け続けるようにしようと思いました。

>> 自分が4人の子供を産んだ後や具合が悪かった時、子供共々、実家

> 我が家では、「親は在っても子は育つ」の家訓が生きています。ずっとずうっと昔から
> の言い伝えです。私は4人の子達をそうして信じています。

「親はなくても」ではなくて、「親は在っても」なんですね(^^;。

私は30過ぎても親がかりだったんだなと自分でも可笑しいのですが、
出産直後に病気をしたりすると、自分で身を処すことができない赤
ん坊や、小さな子を前に、気ばかり急いて身体がついていかず、
どうにもならなくなってしまう場合もあり、私は実家に頼りました。

娘達は、それぞれの生活の場でお互いを支援しあえるネットワーク
を創り出せるかもしれませんが、娘達が出産する時には、少なくと
も彼女達の前では、暇そうにしていたいと思っています。


この夏、朝日新聞に「ピャクの大地 シベリアの温暖化」という
小さな連載記事がありました。その「(3)生活術、学ぶ日々」に、
6家族約30人が暮らすキャンプの様子が書かれていました。
子供達は遊んだり、生活の中で自分達なりの役割を果たしながら、
食べ物の扱い、防寒着や靴の作り方等々、10歳になればツンドラで
生活できる一通りのことを覚えるそうです。

社会的分業化が進んだ日本は、生活できる一通りのことを覚えるの
は、逆に贅沢なことなのかもしれませんね。

「豊かさの代償」
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/200310/10keizai.html


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