[BlueSky: 5402] Re:5392 少子化について


[From] Sachiko Ikeda [Date] Thu, 02 Oct 2003 11:50:16 +0900

こんにちは。長らくROMでしたが、長縄さんの「少子化に悲観していない」というお話に刺激さ
れて、初めてメールします。

 少子化を防ぐ手だてとして、「子どもを産みたい人が産みやすい・育てやすい環境を。場合
によっては経済的支援も。」という考えがあって、わたしもこの考えには賛成です。子どもを
育てるのは並大抵の苦労ではないと想像がつきますし、今の扶養手当は子どもの食費程度には
なりますが、結構厳しいものだと思います。
しかし、一方でできる限りの経済を含む支援をしたとしても、わたしは少子化は止まらないと
思っています。極端な話ですが、子どもの大学までの教育費を含めて支援があったとしても、
「じゃあわたしは10人子どもを産みたいわ」という女性がそんなにいるとは思えません。あら
ゆる支援があったとしても、「産む」という肉体的負担を負うのは女性ですから、「これ以上
は産みたくない」というラインが各人にあると思います。いくら子どもが好きでも子どもから
離れた趣味の世界を持っている女性が現代では普通で、「この子たちが少し手を離れるように
なったら、自分の趣味を再開しよう」などとそれぞれ計画していることでしょう。どんなに小
さい子どもがかわいいと言ってもひっきりなしに生み続けたい女性が、現代日本にそうそうい
るとはどうしても考えにくいのです。そのラインは人それぞれで、「経済的に決して困らない
なら5人まで欲しい」という人もいるかもしれませんが、兼業主婦という道を選択した場合、
子どもの数は頑張って3人だろうと想像しています。この5人、3人というラインは、今わた
しがなんとなく想像した「最大限」で根拠はありません。おそらく専業主婦でも兼業主婦でも
「二人まで」という女性が多いような気もしています。
 お金がないから子どもを多くは望めないという意見もありますが、ではお金持ちは子沢山か
というとそうではなく、現代の日本人は子どもを少なめにすることで精神的なゆとりを求めて
いると感じます。更に庶民においては、日本の住環境は狭く、子どもが増えることでストレス
は感じるでしょう。学費などの経済支援を充分に受けられるとしても、住環境への配慮から
「自分で育てられる子どもは、せいぜい二人だ」というような計算も出てくると思います。
このような推測と子どもを産まない人がいることから、わたしは充分な子育て支援を行って
も、少子化は止まらないと考えます。
 「子供を最低2人作ることが、社会の最低限 のルールであると 思っています。人を殺さな
いこと、と同様に人をつくることがモラルとして扱われてもいい」という意見がありますが、
二人子どもを産むことが社会のルールなら、産まない人間にはペナルティが与えられることに
なります。(ルールとはそういうものです。殺人はペナルティを与えられる行為ですよね。)
子どもを産まない層にペナルティを課すということにすれば、女性は産んだか産んでいないか
明白だけど、男性側は不透明でなんだか不公平です。それでもペナルティを導入すれば少しは
子どもを産む方向へ転換するかもしれませんが、子どもを育てるには経済力だけでなく「愛
情」というものが必要になるので、「ペナルティを避けるために産んでおいた」場合、不幸な
結果を招きかねない・・・とも思います。(これは葛貫さんもご指摘されていますが。)実際、子
どもを虐待死させてしまう親はいるわけで、「産めばかわいくなる」とか「愛情は本能的に湧
く」などの意見は少々無責任だとわたしは考えています。

 そういうわけで、「一時的に若い世代より老人世代が多くなってしまう時代をどう乗り越え
るか」、ということが少子化問題の核心ではないかと思います。
環境問題などに対しては人口減少はプラスの効果もありそうですし、住環境が良くなることは
確実です。そうなれば「3人以上子どもが欲しい」と思う人も増えて、また人口は増加するか
もしれません。そういう人口の増減に対応できる経済システムを練り上げていくにはどうした
らいいのだろうか、というのが今のわたしの関心です。
 人工減少による労働力の減少を心配される向きもあると思います。
が、かつて戦後の復興期、旧西ドイツはトルコから安い労働力として移民を入れることで解決
し、日本は機械化を進める方向で労働不足を補ってきたと思います。
その後ドイツで移民問題が起こっていること、日本には白人コンプレックスとともに有色人
種・アジア人種への差別意識がかなりあることを考えると、安易に導入するのは危険だと思い
ます。

 長文失礼しました、最後に以下のURLをご紹介しておきます。
 http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson17.html


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