[BlueSky: 5311] Re:5297 針葉樹人工林よりも広葉樹の植林?


[From] "gengorou" [Date] Fri, 15 Aug 2003 01:43:25 +0900


こんばんは。ゲンゴロウです。

あきらさん:
> ゲンゴロウさんの、
> 「いつまでも人による手入れを必要とする針葉樹人工林よりも、人手
> を必要としない広葉樹天然林を!」
> という主張には、私も大いに共感します。
> しかしゲンゴウロウさんは1つ大きな誤解をされていると思います。
> 「いつまでも人による手入れを必要とする」のは「針葉樹」だから
> ではなく、それが「人工林」の本質だからです。
> 「人の手で植えた木は、いつまでも人の手入れを必要とする」
> これこそが人工林の本質ですので、たとえ針葉樹の人工林を広葉樹に
> 植え替えたところで、管理の手間は減るどころかかえって増加してしまいます。

人工林は、広葉樹だろうが針葉樹だろうが手がかかるのですね。

> 実際、我が国の林業の現場で大規模な広葉樹植林が成功した例を
> 私は知りません。広葉樹の人工林を成林させるためには、針葉樹の
> 造林地よりもきめ細かい手入れが必要であり、今の林業の現場には
> その余力がほとんど無いからです。
> 「広葉樹植林は手間がかかって難しい、広葉樹を植えても割りに合わない」
> これは林業に関わる者の共通認識だと思います。

広葉樹の方が針葉樹より手間がかかるのですね。それなら、
針葉樹でさえ余力がない林業ですから不可能ですね。
ところで、「林業の現場」とあるからには、広葉樹を材木
として伐採し収穫?することを前提にしているのですね。

> したがって、ゲンゴロウさんが「広葉樹の人工林なら管理の手間いらず
> で天然林に近い林が出来るはず」という前提に立つかぎり、これ以上議論を
> 進めてもあまり意味がないと思います。

べつに、私は、「広葉樹の人工林」と強く主張していたつもり
はないのですよ。「針葉樹の人工樹林」と言う教授の主張に
「うん?」と思って、他に、手がかからず、山の崩壊が防げて、
国税も使わないという良い方法はないのですか?それを考えて
もいいのではないですか?と、教授には主張していたつもりで
す。それから、意味は、やってみないと分からないので、ある
かどうかは、どうでしょうか。副産物でも、あればいいし。
私としては、一生懸命に考えたり、調べて、いろいろ得ること
はあります。(元々、なーんにも知らなかったので。。)

> これまでの議論を拝見して、正直言ってあまり建設的な議論にはなって
> いないという印象を私は受けました。

あきらさんは、教授と私の議論を「建設的な議論ではない」
と、感じたのですね。

ここで、ちょっと脱線。MLでの私のスタンスなどのお話。

私としては、さほど「建設的であらねばならぬ」と思って
いたわけではありませんでしたので、あれでいいのです。
私は「少しは山のことも知らないとな〜」と思い、山の事
などの推測をブルースカイに投稿してみたのです。

すると、佐藤さんがいろいろなことを提示して下さった。
速水林業のこと。教授の主張。そして、シアトル首長の弁。
一気に様々なことを知ることが出来ました。
実は、弁証法的な討論というものもある様なのです。
眠った脳を活性化するにはもってこいの議論の方法です。
また、ヒョウタンから駒というようなこともあります。
物事を考えるときは、答えをむやみに求めても出ない場合
があります。まったく分からない時には、まず漠然とした
問いの方が、答えを限定しなくてよいので、いいかもしれ
ません。すると、思わぬ糸口、副産物が見つかる場合もあ
る。あきらさんから「鋸谷式間伐法」なる話をいただけた。
これなんかもヒョウタンから駒みたいなもので、とっても
建設的な出来事であるな!と、今の私は思っています。
武道なんかも、いや、全てのアマチュアスポーツなどもそ
うだと思います。対戦相手を作り戦うことが一生懸命にな
る一番の方法で、その仮定で、さまざまなことが身に付く
ようです。相手をしていただけるということで、感謝と敬
意があります。相手がいないのが一番、果実が少ない。
日本的な仲良しムードも、すでに案が出尽くしているとき
には、その中からの選択として良い方法かもしれません。
しかし、矛盾したことを考えるとか、訳の分からないこと
を考えるときは、いろいろ対峙させ、強調し、まず本質を
際だたせるという方法も、一つの方法としてありかな?と
思ってます。それをMLが荒れていると勘違いするのは、
罵声、個人的な中傷が飛び交う場合に似ているからで、そ
れとこれとは違うようです。
それから、教授へ私は、素人のくせにバンバン言ってます
が、これで、けっこう胸を借りているという気持ちがあり
、それだから出来ます。そこには、感謝というか、敬意も
あります。おそらく教授も「まったく、しかたねぇな〜」
と思いながらも、説明して下さるのは、そういうことなの
ではないでしょうか(←推測)

> そこで、私から前向きな解決策を1つ提示します。

はい。

> ・できるだけ手間をかけずに針葉樹人工林を広葉樹林にしたい
> ・木材生産にはこだわらないので、樹種は何でもかまわない

これですね。まさに、私の前提条件は。

> この2つの条件の下であれば、我が国でも簡単に広葉樹林、という
> よりも「針広混交林」を造成する方法があります。
> それは「間伐遅れの針葉樹人工林を強度に間伐して放置する」ことです。
> ここで大事なのは2点。
> <間伐遅れの針葉樹人工林>を<強度に>間伐することです。
> このことさえ実行できれば、広葉樹をわざわざ植林する必要も、その後
> の管理の手間もいりません。
> 実に簡単に、針葉樹人工林を「天然林化」することが可能です。
> なぜこれだけで、植林より簡単に針葉樹の人工林に広葉樹を導入することが
> できるのか、そのことを説明するためには森林生態学、特に樹木の天然更新
> のメカニズムに関する知識が必要です。
> 面倒なので詳しい説明は省きますが、論より証拠、次のサイトで具体的な方法
> が紹介されています。
> 未来樹2001と大内正伸のホームページ
> http://tamarin.cside21.com/index.html
> トップページから入って、「鋸谷式間伐法」のコーナーをご覧下さい。

これを、私は考えていたのです。で、なぜ?できないの?と。
私、まったく山や林業や植物のことを知らないので、断定が
出来ないから言わなかっただけですが、あるのですね〜。。

でも、これを紹介され、読んでみてから思ったのですが、
なんか、これ、教授のやり方も、突き詰めると、これな
んではないでしょうか。。そして、私も、これを考えて
いた。。さらに速水林業のやり方も、これに近い。。
で、さらに、思い返すと、萩野さんが  でおっしゃっ
ていた。
 「速水林業の手法は、うまいことバランスをとって、
  山の生命力を引き出せば、そんなに手をかけずに
  すみ、現在の木材市価でも何とかやっていけると
  いうことなのではないでしょうか。」
の具体化したものに他ならない。。

  これは、いったいどういうことなんだろうか。。。
  やはり、具体的な方法が分かっていなかったせいなの
  だろうか。。。実は、、アプローチは違っていても、
  同じ事を目指していたから、その結果は、これになっ
  たということなのだろうか。。。

> このサイトをご覧いただければ、針葉樹人工林を大切にしたい人も、
> 広葉樹の導入を進めたい人も、結局やらなければいけないことは
> 「間伐遅れの針葉樹人工林を強度に間伐する」ことであることが
> ご理解いただけるかと思います。

もっと早く言って下さい!そうすれば、その1〜その5まで
考えずにすんだものを!(←冗談です。)
しかし、これ、本当に可能であるのなら(信じないという
わけではなく、私が鵜呑みに出来ないからこう言うだけ)、
すばらしい方法ではないですか!ねぇー!
なんか希望が持てます。写真を見ましたが、実にきれいです。
美しい。好きです。やはり、人間の感覚というのも捨てたも
んではないですね。つまり、けっこう好き嫌いで判断しても
いいのかもしれません。。うん。

> 弱度の間伐をちまちまやっていたのでは日本の林は救えない、という
> 共通認識で両者の利害は一致するはずです。
> ML上で、これ以上すれ違いの議論を進めても不毛なだけではないですか?

何事にも不毛はないのです。
不毛だなんて一括したら、、真剣に相手をして下さっている
教授に悪い。それ以上に、一所懸命のゲンゴロウさんに悪い。。

> 具体的な手法が提示され、既に行動されている人がいます。
> 私はゲンゴロウさんにお聞きしたいです。
> あなたはどう行動されますか?

問われる理由がよく分かりません。。。それが分からな
いと、何をどう答えたらよいのかも・・・。。
「行動せよ!」ということですか?それとも「行動しな
いのなら、考えるな、言うな」ということですか?
私は、先にも書いたように、「少しは知りたい」と思っ
ただけのことですので、山に関する活動は、今のところ
何も具体的にするつもりはないです。やりたくない。
知ってから、それに触発されて動き出すという方もいる
と思います。なので、行動うんぬんのことは、私にお任
せあれ!ですね。
今のところの私は、興味を持って、聞いて、読んで、知
って、考えて、話して、というのが私の行動でしょうか。
けっこう大変なのです。これでいて。。。

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        ゲンゴロウ
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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