葛貫さん みなさん
須賀です。
葛貫さん:
> 違和感を感じられるだろうなという、確信(^^; を持って、敢えて
> ふたつめのコラムもあげてみました。
やられましたね。
葛貫さん:
> 単純化して、批判するのは簡単だし、わかりやすいから受け入れら
> れやすい。
ちょっと頭がいたくなるのは、先進国のいわゆる意識のすすんだ
市民は、おそらくこういう批判を受け入れやすいだろうし、しかも
そのことがそういう市民がのぞんでいるはずのエコツーリズムの
発展を(コスタリカやボルネオで)むしろさまたげる方向にはたらき
かねない、ということです。
葛貫さん:
> 短期間の滞在では難しいかもしれませんが、風土が育んだ文化、自
> 然史等を垣間見ることができる、少なくとも自分(たち)とは違う
> 世界観を持って風土と折り合いをつけながら生活しているひとがい
> るんだ、ということを実感できるようなツアーが、その場で営まれ
> ている生活を掻き乱さない程度に、普及されるようになるといいな
> と思います。
もうひとつ、考えてみたいことがあります。これまでのエコツアーは、
かならずしも伝統的な世界観をもった方々がその風土と安定した
関係を保ってきた場所でおこなわれてきたわけではない、という
ことです。むしろそうじゃない場所が多い、というのがわたしの理解
で、それもまたある面ではなやましいことと感じています。
ひとには単純化するなとばかり言っておきながら、都合がわるく
なると豹変するので恐縮なのですが、わかりやすくするために
あえて単純化します。
コスタリカの場合には、牛肉の生産のための牧場開発、
ボルネオの場合には、木材の伐採のための森林開発、
いずれも輸出産品ですが、それらがいきづまったところで、
その代替産業のひとつとしてエコツーリズムが脚光をあびるように
なってきたのではないでしょうか。
すくなくともわたしは、だいたいそんなふうに理解しています。
もしまちがっていたら、どなたか、ご指摘ください。
そういう開発がないところで、平和に暮らしている方々がいる
とき、そういう方々を(いかに持続可能なものであれ)エコツーリズム
というようなかたちで外部の文化との接触をふやすような方向に
ひきだすことがいいものか、どうか。
個々の状況はいろいろでしょうし、その結論も必ずしも単純な
ものばかりではないかもしれませんが、そういうことについても、
考えてみる必要があると思います。
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須賀 丈(すかたけし)
長野県自然保護研究所
電話026-239-1031
Fax026-239-2929
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