[BlueSky: 5206] Re:5205 洞察


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Fri, 27 Jun 2003 10:55:00 +0900

山口さん、返信ありがとうございます。

> この論旨の場合、情緒という言葉はまずい使い方です。
> 科学の発見の場合と同じで、論理的には見えないながら
> 答が見えるような意味でintuitionまたは insightという
> 言葉(日本語では洞察かな)を使うべきでしょう。
> 直接関係していないような情報をつなぎあわせて
> 見えていなかったことを見えるようにする考察力が
> 大切なポイントではありませんか。

はい。
そう思います、intuition、insightですね。

洞察というと、William Blake の

  To see a World in a Grain of Sand
  And a Heaven in a Wild Flower,
  Hold Infinity in the palm of your hand
  And Eternity in an hour.

という詩が思い浮かんできます。

何人かの方が和訳をしておられるのですが、私は坂井孝彦さんの

  一粒の砂のなかに世界の諸相を観てとって
  一輪の野の花に宇宙生命による万象を見て
  手の掌に果てしなく連なる鎖を握りしめて
  瞬きのうちに永遠(とわ)のながれを把えよ 

という訳が好きです。

この詩はリチャード・ドーキンスの「虹の解体」という本にも引用
されていて‘sense of wonder’につながるものだと思われます。
折角とらえたひらめきも、その後の扱いを誤ると、思い込みと独善
の世界へと迷走していってしまうのかもしれませんが(^^;。

「生」の状態を体感している一次情報の発信者、同じような場を体
験している人と、統計資料等の加工情報を扱う人では、同じ画像や
文面を見ても、読み取れるものには、差があるのでしょうね。
私は情報を加工する仕事をしているのですが、現場の人の話をうか
がうと、如何に自分の読みが浅いか思い知り、赤面することがしば
しばあります。
地球規模で環境問題を扱い、政治的な決定をしてゆく場合、この
ギャップを埋めて行く作業が、すごく大変だろうなと思います。

[BlueSky:3772]
http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/3772.html
を投稿した時にも思ったのですが、洞察力や洞察したものを意味の
過不足なく伝える技術は、どうやったら身につけられるのでしょう。
教育の真髄って、この辺にあるんだろうなと思うのですが、教えて
もらえる部分と、体得してゆくしかない部分があるんだろうな。


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。