[BlueSky: 5088] Re:5087 グミの事


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Sat, 26 Apr 2003 10:40:42 +0900

こんにちは、葛貫です。

山口さん wrote:

> アポトーシスを利用してガンを征圧するような研究も進められていると聞いています
> が
> それと似たような印象を受けますね。まだ、「作れるかもしれない」段階でしょう
> か。
> ニュースを書いた人が専門知識なしで、勘違いの受け売りをしているようにも思えま
> す。


「グミのこと」より
http://umisuki.s1.xrea.com/data/gumi.htm

******

グループの研究によると、グミから数種類のタンパク質を抽
出し、白血病細胞の一種「ジャーカット細胞」に与えた。その結果、
白血病細胞は増殖が抑えられ、ほぼ100%が死滅したが、正常な
白血球は80%が生存していた。さらに詳しい分析で、ジャーカッ
ト細胞はアポトーシス(細胞の自殺)を起こしていたことが判明
した。 グミ1キロからは80〜150グラムの乾燥粉末が製造
でき、水に戻しても同じ効果が得られるという。
『 大庭英樹主任研究員は「動物実験で安全性を確かめ、安価で
安全な白血病治療薬として実用化させたい」としている。』

 #『 』は、葛貫が書き加えました。

*******


上記ページのホームをみると、白血病に関係する情報を集めている
サイトみたいですね。

読み落としていけないのは、『 』で囲った部分で、白血病細胞の
増殖が抑えられたといったって、株化されたもので、生体内でどの
ようなことになるかというと、更に検討が必要なわけで・・・・

「グミ1キロから、80〜150グラムの乾燥粉末を製造して水に
戻して飲むと、白血病細胞が増殖が抑えられ、ほぼ100%が死滅
したが、正常な白血球は80%が生存する」なんていって、グミの
乾燥粉末を売り出そうと考える人が出てこないとも限らない(^^;。

正規の医薬品として利用するとなると、動物実験をするとともに、
有効成分を特定して、グミがその物質を安定的に生産するか(環境
条件によって含量・質に変化はないか等)を調べて、未利用資源と
して海に漂っているグミからだけで安定的に生産し、需要を充たせ
るか、等々を検討することになるんでしょうね。

医薬品として低コストで安定生産しようすると、天然物から抽出す
るのではなく、その有効成分を作り出すのに関係する遺伝子を特定
して、細菌等に組み込んで、工場で大量培養するという方向へ進む
んじゃないかな。

作用機序を解明しないまま、天然の動植物や鉱物を「生薬」として、
利用してきた歴史もあり、クロサイの角や熊の胆等、密猟・盗掘を
防ぎたい動植物が、未だ生薬として闇ルートで販売されていると
いう現実もあるわけですが、未利用資源から新規に有効成分を探索
し、薬品として認可を取り、売り出す場合は、そういうわけには、
いかないでしょうね。



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