土田さん、
> 先生のご専門は貝類だと承知しているのですが、今西日本一帯で「グミ」の大
> 量発生が問題となっています。
私は貝類が専門というわけでもなく、今扱っている研究対象が貝類であるという
だけです。生物学というよりも海洋学が自分の分野であると思っていますので、
グミの大発生問題は以前から関心をもっています。
オニヒトデの大発生もそうですが、棘皮動物というグループには大発生を起こし
やすい種類がいろいろあります。
極端な言い方をすれば、海産動物の集団は大きく変動するのがむしろ当たり前
であって、そのメカニズムとしては、幼生を流動拡散させる海水流動のゆらぎ
が効いています。これは基本的に自然の営みでしょうが、人間による環境負荷が
重なって影響している可能性が否定できませんので困ります。
グミの場合は海洋環境、特に沿岸環境の変化が引き金になっているのかどうか、
昔から繰り返し起こっていることかどうか、情報が少なくて判断できません。
普段は大発生を抑えている仕組みを知ることも重要です。
> ふと調べている内に、下記のページでちょっと面白い記事を見つけました。
> グミから白血病治療薬が作れると言うものです。
http://www.sea-net.pref.fukuoka.jp/gaiyo/naminami/vol13/nami13chousa.htm
福岡県の玄界灘沿岸を中心に問題となっているナマコの一種ですね。
ご紹介されたサイトではヒトデと間違えているようです。
アポトーシスを利用してガンを征圧するような研究も進められていると聞いています
が
それと似たような印象を受けますね。まだ、「作れるかもしれない」段階でしょう
か。
ニュースを書いた人が専門知識なしで、勘違いの受け売りをしているようにも思えま
す。
山口
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