[BlueSky: 5043] グローバルゲームと未来予測


[From] "gengorou" [Date] Mon, 31 Mar 2003 01:01:44 +0900


虫は虫なりに一つの考え
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グローバルゲーム(地球規模のゲーム)と未来予測
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4人の男がテーブルでポーカーゲームをしている。二人は白人で、
後の二人はアラブ系。白人二人はかなり完全な未来予測が出来る。

  未来予測が得意な二人の白人は勝負に勝つことが出来る
  のだろうか?もしかすると、その二人の未来予測能力は
  まったく功をなさないかもしれない。白人二人は、互い
  の完全に近い未来予測能力のせいで、二人の
  激しい未来予測合戦になり、その結果、未来予測自体が
  互いの存在の為に、未来予測の機能を果たさなくなる。
  それはまるで、あの「楯と鉾の逸話」の様に白人二
  人に矛盾を与え、二人の未来予測は功を成さないばかり
  か、場は乱れ、結局はアラブ系の二人にも勝てない状況
  なるのではないだろうか。

白人二人は、その事に気が付いたらしい。二人は互いの不利なそ
の状況を打破するために、協定を結んだ。協定の内容は「完全な
情報交換」と「二人の意思決定に二人が添う」という内容になる。
おそらく白人二人の未来予測者が勝つ方法は、その協定以外には
ないだろう。

この協定を二人の白人双方が守りはじめた時から、急にアラブ系
の二人は白人二人に負け始めた。カードゲームは、あたかも二人
のアラブ系の人間二人と一組のチームとのゲームとなった。
別の区分を用いると、その組み合わせは、「未来予測が出来る一
組」と「未来予測が出来ない男達」との勝負ということになる。
それは、あたかも未来予測が生んだ構造とでも言うことができる。

ここに来て勝負は、すでに続行不可能になった。なぜならアラブ
系の二人がゲームを下りたからである。二人の褐色の男はそれぞ
れのグラスを持って別のテーブルに移ろうとしていた。
未来予測が出来る白人二人は、それを止めようとしていたが、ア
ラブ系の二人の男には、そのゲームが自分たちにとって不利なゲ
ームであるという、それくらいの未来予測はできていた。

このアラブ系の二人の取った行動から生じた出来事は、まるで、
優れた未来予測が劣った未来予測に敗北した出来事とも言える。
それ以上に、人類の繁栄をもたらした未来予測という能力が、
人間を取り巻く環境には役に立たないことが明らかになった出来
事とも言える。

  確かに、人間には、他の生物が所持していない「未来予測
  能力」があるが、その未来予測能力とは、人間以外の環境
  に対して優れた能力なのであって、こと、同じように「未
  来予測能力」を所有する人との人間関係環境では、まった
  く役には立たないことになる。まるで、未来予測を持たな
  い昆虫が歩き回っているのと同じことになる。

  人間環境世界では、人間に起きる関係が、ある最終的段階
  に及ぶと、優れた科学力・頭脳・論理は役に立たないのか
  もしれない。

  このとき、人と人の関係、あるいは、人間集団と人間集団
  との関係において、その進路を決定するのはルールではな
  く、意思というものなのかもしれない。
  すなわち、人間の関係が最終段階に到達している場合、ル
  ールに見える事柄は、実はそれぞれの利己的な意思なのか
  もしれない。

グラスを持ってテーブルを去ろうとしたアラブ人に、一人の白人が、
隠し持っていた銃を向け、「席に着け!」と脅した。


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     ゲンゴロウ
       gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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