[BlueSky: 4993] Re:4987 対イラク武力行使


[From] "ASHRAE" [Date] Mon, 24 Mar 2003 01:05:05 +0800

小宮さん、みなさん、こんばんは。
香港の鈴木です。

香港は、本日も人通りが少なく、日曜だというのに外食好きの香港
人が、家に引きこもっているようです。例の重症急性呼吸器症候群
(SARS)の患者数が200人を超えているので、感染の可能性
のある人混みには出ないようにしているのかもしれません。

私は、技術系コンサルタントを商売にしていて、ここ香港や中国で
環境・省エネ・エネルギーで商売をしています。本来は技術系の話
が好きで、政治向き、社会向きの話はいたしません。このMLも環
境自由大学ですから、みなさんの環境に関するトピックスを読まさ
せて頂くだけで、議論は他のMLでやっていました。

今回は、国連の話やらデモやらの話題が出て、図らずも投稿してし
まった、しまったと思っている次第です。

海外に1985年から出ておりまして、おまけに国際結婚なもので
すから、発言も日本の現況から乖離してしまって、ロジックも日本
人には合わないものになってしまっているのかもしれません。間違
い、考え違いはご指摘ください。以上私事でした。失礼。
___________________________

From: "yuichiro komiya"
To: <bluesky@sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Sent: Sunday, March 23, 2003 9:22 PM
Subject:4987 Re:4986 =?ISO-2022-JP?B?GyRCQlAlJCVpJS9JcE5POVQ7SBsoQg==?=

以下の小宮さんへの返信で、小宮さんの問いかけからずれている部
分がかなりあります。お詫びいたします。

> 詳しい説明ありがとうございました。
> 僕は確かに国連に関して思い違いをしていた
> ようですね。戦争をなくすために国連ができたのでは
> ないというのは、始めて知りました。そうであれば、
> 確かに国連に多くを期待することはできないのかも
> 知れません。

国連にできることはまだまだあると思います。実際国連機関と連携
をとって仕事をしたことがあります。その際に、国連機関でもいろ
いろあるこやその内幕も聞きました。
国連や国連機関といっても寄り合い所帯ですので、一枚岩ではない
ようです。組織も大きく、右手のしていることを左手が知らないこ
ともしばしばですし、ある機関で拠出金の多い国のポリシーが通る
ので、国連総会や安保理の決定と違うことをする機関があることも
知りました。
正しい国連の姿を認識し、正しい国連の活用の仕方、あるべき姿に
国連を導く努力を日本がさらにすべきではないか、と考える次第で
す。

> これは、憲法に従い、不戦、軍隊を持たないでなにか問題があるの
> でしょうか?少なくとも日本が核を持ったり、憲法改正して他国に
> 攻め込むことも認めるようになるほうが、今のままよりもはるかに
> 危険な状況になると思うんですが。

これは難しい問題だと考えます。一種戦争技術にも関わる問題なの
でどうにも答えにくいことがあります。
私の考えだけ述べます。正しいかどうかは知りません。ただ、これ
は極めて私的な意見ですので、どう実現するのか?方法論をお尋ね
いただいても困る話です。正しい、正しくないも答えが出ませんの
で困りますね。
1.現在の憲法第9条で自衛隊は合憲、であるとのコンセンサスが
得られるのなら憲法の改正は必要ないでしょう。
2.専守防衛のポリシーも堅持すべきでしょう。
3.集団的自衛権の問題は、拡大解釈がどこまでも可能な問題なの
で、どこかで歯止めを持つべきだと思います。では、どこで?とい
ってもケースにより対応の仕方が違いますので、時限立法でケース
バイケースで対処する他はないと考えますが、基本的に集団的自衛
権を国連の決議次第で運用するほかそうがなさそうですね。ただし、
今回の場合のように、国連決議が得られない時はどうするか、こい
うケースは、これから議論して解決する問題だと思います。
4.現在の自衛隊の装備と国内法の問題で、専守防衛を行使できな
い事態が生じますので、これは、是正しなければいけない。例えば
集団的自衛権に抵触するために、専守防衛の際でも自衛隊の戦闘機
は、エリアによって飛行できない日本の地域がでてきます。燃料の
問題です。増量タンクを持つと、領海外まで攻撃できるからだそう
ですが、専守防衛に支障をきたすので是正しなければいけない、と
考える次第です。その他にもミサイルの航続距離、タンクの県道、
市道の走行問題、専守防衛の際の民間施設への補償問題など解決の
必要のある具体的な問題が山積みです。自衛隊は、いい装備はあり
ながら、両手両足を縛っているために、専守防衛でも戦えない事態
も生じると理解している次第です。

> それと、今回のイラクの件に関してですが、日米安保が
> あるのは分かりますが、それでもアメリカの意見を不支持
> といったり、少なくとも、国連決議を待つようにアメリカを
> 説得したりすることはできなかったのかなあと思います。
> なんでもアメリカのいうことにYESと言わなければいけない
> というわけではないと思うのですが…。もちろん小泉首相が
> 本心からあのように思っていたのなら別ですが。

今の日本の政権に関しては、私の考えでは説明責任を果たしていな
い首相、首相のフォローをしていない官房長官などなど、一般企業
の方が広報は上手だな、と見える方々ばかりです。同じ状態におか
れてもうまく切り抜けられる政治家は、現在・過去たくさんいるの
ではないかと思います。政治も技術がものを言う世界でしょうから
政治技術の低い人が国家の長についているのはマイナスだな、と思
います。

で、米国のイラク戦の是非をどう思っているかですが、これはいい
にくい。米国国民の恐怖もわかります。欧州の反発・分裂もわかり
ます。ただ、生命の尊さとか人間の尊厳とか言われて、それを論拠
にして聞かれても困る、というのが正直な話です。

今の戦争地帯あたりは、私にとってなじみのある地帯で、昔仕事で
ずいぶんうろつきました。毎日死体を見ます。運転手が護身用にル
ガーを持っている。プロジェクトの米国人の所長がウジを持ってい
て、私も闇で一挺買いましたが、幸い現場キャンプで数発試射した
だけで人は殺さずに済みました。やばい事態では、ピストルの柄で
なんとか切り抜けたぐらいです。韓国の現代重工業の技術者がずい
ぶん殺されているようなところでした。
安保理決議なしの米国の参戦の是非を問われても、私の場合みなさ
んとずれてしまっているのでお答えしても理解いただけないのでは、
と思う次第です。

> これは確かにおっしゃる通りなんですが、昔と今とは状況が
> 違うと思うのですが。今はアメリカは超大国で、核も、その他の
> 兵器も、世界をほろぼすくらいの量を持っているわけです。
> 本気で戦争を仕掛ける国なんて、(アメリカ側から追い詰めない
> 限り)ありませんよ。日本に対しても、軍隊を持たない限りは
> 攻撃してくる国なんてないと思うのですが。それに、危険を

私の個人的な経験では、無防備な人間を人は好んで攻撃するもんだ
、ウジを持ってれば攻撃しづらい、ということで、賛否はあるでし
ょうが、体で覚えてしまったので、無防備・無抵抗は攻撃されやす
い、というのが本音です。ガンジーのような無抵抗主義を抜くのは
並大抵の覚悟ではできませんので、私の家族に関しては、無抵抗で
いたくないと思います。極めて個人的な話なので無視してください。

> 防ぐつもりで戦争するのならば、北朝鮮も、イランやその他
> 中東の国々もかたっぱしから攻撃して親米の政権に変えて
> いかなければならないのではないですか?今は、兵器よりも
> 経済の結びつきと国際協調で平和を維持していくのが
> 当然と思っていたのですが。兵器はあくまでも抑止効果
> として使って。

経済爆弾で脅す、という手を日本政府が気づけばいいのですが。兵
器でなくても相手を脅す手はいくらでもありますからね。

> うーん…そうなんでしょうか。これだけ科学文明が進んで、
> 動物や人間の性質も遺伝子レベルで解明されようとしている
> 時代に、人間の本能的なものを抑えて、国際協調をすすめて
> いくということは絵空事なんでしょうか…。確かに本能的に
> みれば人間性というのは弱肉強食なんでしょうが、それを
> 知性で乗り越えることができると、僕は数週間前までは
> 思っていたんですけどね。でも、最近はあまり自信がない
> ですが。

理性で対処して、スマートに国際協調できればいいのですが、そう
もいかないようです。卑近な話で恐縮ですが、香港のローウという
ところから電車と徒歩で中国に入れます。イミグレのあるビルの階
段は人通りが途切れると途端にアイスピックをもった複数の強盗が
現れるので、私は行きません。私の会社の香港スタッフは刺されま
した。理性で解決できない、力には力の世界の姿もある、というこ
とです。日本なら適用できることも世界では通用しない事例も多々
あることを実感いたします。

香港 鈴木



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