尼崎の一ノ瀬です。土田さん、初めまして。
「敵国条項」に関する土田さんのご指摘には、私も同感です。適切
なコメントであったと思います。
また、フランスを初めとする、ヨーロッパ外交のしたたかさにつ
いては、私も好感を持てないで居ます。
けれども、
#4988「生物化学兵器の恐怖」
という話については、私は、米国の主張には疑問を感じています。
生物化学兵器、或いは、核物質等をフセイン政権が秘匿している
として、なぜ、軍事力の行使や空爆に結びつくのでしょうか?
米軍は、主要な軍事施設を次々に空爆していますが、ボツリヌス
菌の貯蔵施設を破壊してしまったら、細菌兵器を周囲にばらまくこ
とになります。核分裂生成物の秘密貯蔵庫を爆破してしまったら、
それは、いわゆる、”汚い爆弾”であって、周囲を放射能汚染しま
す。
しかも、これらはまだましな状況です。
最も恐ろしいのは、指揮命令系統が破壊されて無政府状態になっ
たなかで、これらの危険物が紛失してしまうことです。秘蔵場所を
知っているごく少数の責任者が、米軍得意のピンポイント空爆で死
亡してしまうと、あとは無管理状態です。それが、他のテロリスト
の手に渡ったら、、、と思うとぞっとします。
そんな無謀な作戦を実行するよりは、100人しか居ない査察官
を、1000人、1万人と増やして、草の根分けて探した方がずっ
と確実で安全であることは、明かではないでしょうか。
正直言って、アメリカの今回の軍事作戦は、大量破壊兵器の廃棄
が目的であるならば、辻褄の合わないことばかりです。
ブッシュ大統領が、”イラク国民の解放”を戦争目的に掲げたの
も、こういった矛盾を説明できなくなったからではないかと見てい
ます。
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