[BlueSky: 4898] Re:4896 組織の改革


[From] "Masashi Yamaguchi" [Date] Sun, 23 Feb 2003 07:31:19 +0900

須賀さん、

環境行政の組織内にいて、現実の問題が見えていてもなかなか改革が
できないという悔しい思いをされているのかな、と受け止めています。

農薬による環境汚染について調べたついでに水道水源のセーフガードが
どのようになっているのか検討してみました。調査途中でのとりあえずの
結論は、地方の水道局は国が決めた全国一律の水質基準と監視項目
など多数の項目をチェックしていますが、農薬に関して言えば、実際に
取水されている水源については、それに影響する流域で何がどのくらい
使われているのかを把握していないこと、つまり法令で決められた項目を
ひたすら測定して監視しているだけのようです。その具体的内容は:
http://ygnet.mizudb.or.jp/ippan/

水道法などでチェックすることが決められている農薬の種類数はほんの
一握りですが、それらよりも実際に(出荷量から見て)全国的に桁違い
に多量に使われていたり、地域的に多量に使われている種類もあると
思われますが、水質測定の現場では、とにかく法律に決められた項目
をこなすだけで手一杯であり、水質汚染を引き起こすかもしれない多く
の物質はチェックされていないのが現実のようです。現場の責任者たち
はこの現実をどのように受け止めているのか、現状でよいと考えている
のだろうか気になりました。行政は決まりごとだけをやっていれば良い
と開き直っているかどうかわかりませんが、私の出した質問メールを受け
た所は少なくとも実態を把握してくれるように望んでいます。

そもそも、農業には地域特性があり、農薬の使用状況はそれに応じて
地域的に不均一になっているはずです。それを一部だけ抽出した全国
一律の監視網でセーフガードができるかどうか疑問です。基本的には
水源に影響する可能性があるものを、具体的に、個別に調査して把握
した上で、現実に合わせたチェックの網をかぶせるのが合理的であると
考えますが、なぜ中央で決めたこと「だけ」に従い、それぞれの地域の
問題として扱わないのでしょうか。これが須賀さんが気にしておられる
行政組織の硬直性の一端を現しているのでしょうか。

現在の基準項目や監視項目の対象になっている農薬類は一般傾向と
して出荷量が減少を続けている一方で、他の多数のものが増加している
ようです。それらの中には人に対する急性毒性などが昔使われていた
ものより低いものもあるようですが、流出特性や毒性で比べても大差が
ないようです。

山口正士
903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1
琉球大学理学部海洋自然科学科


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。