[BlueSky: 4845] Re:4834 バイオマスエネルギーは環境に優しいのか?


[From] Akifumi Murase [Date] Wed, 05 Feb 2003 12:41:24 +0900

邑瀬です。

ふじさわさん:
> 木質バイオマスなどは、再生にかかる時間が短いとはいえ数年〜数十年
> かかる「燃料」を数時間で燃やすのだから、CO2は減らせないような。
> 発電まで赤字になったら、ますます林業を圧迫しそうです。

LCAのデータを持ち合わせていませんが、
バイオマスエネルギーの分だけ化石燃料の使用量が減るならば、結果的に二酸
化炭素の排出抑制になります。「CO2削減」というのは大気中のCO2の絶対量を
減らすという意味ではなくて、CO2の発生(排出)量を減らすという意味です。
(釈迦に説法お許しを...;笑)

# 確かに、安易に「CO2削減」と謳っている技術(というより商品)を
# よく目にするようになったという印象はありますね。

また、燃やすために木を切るならば、ご指摘のようにまさしく本末転倒ですが、
未利用の端材や間伐材は山のようにあります。しかも、単に焼却処分している
ことが多いです。

> 嫌気発酵による可燃ガス発生も、廃水処理まで含めるとエネルギーの
> 収支はよくないように思います。家庭の浄化槽の前半は嫌気発酵しているはず
> ですが、最後の浄化行程でポンプでエアーを送っていますし。

(現在仕事で)街路樹剪定枝の再資源化&有効利用システムの構築を支援して
いますが、そこで副産する液体は、良い液肥になるということで近所の農家の
人たちが持って帰ります。結構評判が良いみたいです。(そしてその分、化学
肥料の使用量が減るならばこれまたエネルギー使用量の削減になりますね。)

> 今の所の理解では、林産廃棄物や各種汚泥の減量と廃棄コストの削減による
> ローカルな環境貢献、という印象です。

いずれにしても「これですべてOK」というような技術はないですね。状況に合
わせて適宜使い分けるのが大切に思います。

それと、特定の業界(=立場の人)だけが助かるような技術(の導入&普及方
法)であってはいけません。上記の剪定枝利用の取り組みも、処理前に徹底し
た分別をして(不純物を取り除いて)いるからこそ、農家の人が気持ちよく使
える液肥ができているのです。


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