邑瀬さん、
> 沖縄は赤土汚染が問題になるぐらいですから、土壌に吸着したタンパク質が分
> 解される前に海まで到達する可能性は、ほかの地域よりは高いでしょう。
> (もっとも、それが悪さをするかどうかは別問題です。)
大変興味深い論文を紹介していただき、ありがとうございます。
海水中では懸濁状の粒子をフィルターする動物として、貝類以外も
多いので、直接取り込まれそうです。海産甲殻類は陸上の昆虫類と
別れてからの時間が長いとはいえ、生理機構に共通点を多く残して
いるでしょう。殺虫剤の急性毒性試験結果を見ていても昆虫に効く
ものは水生の甲殻類(ミジンコが使われていることが多い)にもよく
効きますね。
トリアジン系の除草剤なども土壌粒子と結合していると分解されにくい
ように記載されていたと思います。実際の畑での半減期の推定値に
極めて大きな幅が示されていることも関連付けて理解できそうです。
また、分解途中の状態でも原体に負けない活性があったり、強くなった
りするものも中にはあるようです。
ついでのコメントですが、TBTの使用禁止を受けて、船底塗料などの
海水中で使われる防汚塗料にトリアジン系の除草剤を転用する動きが
あるようです。これも要注意ですが、これでやっと海産生物に対する
トリアジン系除草剤の影響試験が進むのでしょうか。
山口正士
903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1
琉球大学理学部海洋自然科学科
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