[BlueSky: 4509] Re:4063 組み換え遺伝子の流出


[From] Minato Nakazawa [Date] Tue, 06 Aug 2002 02:30:35 +0900

中澤です。

Y.Kuzunuki さんは書きました:
>組み換え遺伝子の流出が起こらないということを証明しているわけ
>ではない。
LMOの扱いを包括的に規定するカルタヘナ議定書について,
7月25日から4つの省がパブリックコメントを受け付けて
いるようです。
http://www.meti.go.jp/feedback/data/i20725aj.html
組換え生物の問題については(カルタヘナではいわゆる遺伝子
組換えだけではなく,植物の細胞融合なども対象になっています),
このMLでもいろいろと話題になっているので,コメントを
送ってみては如何でしょうか?

>Natureという雑誌は、それなりの判定を受けた、信憑性の高い学術
>論文を載せる雑誌であるとともに、公開ディベートを行う雑誌なん
>ですね。
そうです。多くの科学者の注目を浴び,論議を呼びそうな話題
かどうかということが採否の基準の第一に来ていたと思います。

>人口増加の制限要因は、他にもいろいろあると思うのですが、
>食糧がなければ、人口は増えようがなく、「今までない大胆な遺伝
>工学の試みを行わなければ『な ら な い』」なんて、言い切れない
>のでは、食糧の増産が人口増加をもたらしているとも考えられるの
>ではないか、と思えてしまうのですが。
同感です。

>発展途上国では、一人一人にわたる食糧が減り、個々人の生残が
>危ぶまれる状態でも、人口が増えてしまっているという現実が
>あるようですが、食糧を増産しさえすれば、解決できる問題だ
>とは思えないのですが・・・・。
ぼくは分配の不均衡が貧困と飢餓の原因の多くを説明できると
思っています。人口増加については,バングラデシュのように
家族計画がきわめて強烈に効いて増加率が抑制されたところも
あれば,ヨルダンのようにほとんど効かないところもあって,
文化の多様性によって随分違うと思います。ペルーみたいに
インフォームドコンセントが不十分なままに不妊手術を強行した
といって批判を浴びている国もありますし,中国の一人っ子政策
もありましたから,政体によってもずいぶん違うでしょう。
人口と食糧と環境というのはトリレンマだという話があります。
それぞれ独立には動かせないということなのですが,かなり当たっている
と思います。食糧さえ増産すれば……という発想は,人口学を知らない
人のものですね。もちろん環境も無視しています。本来,関連のある要素は
すべて勘案して政策を立てていくべきだと思うのですが。

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Minato Nakazawa <minato@ypu.jp> http://phi.ypu.jp/
Associate Professor for Public Health and Informatics,
School of Nursing, Yamaguchi-Prefectural University
Phone +81-83-933-1453 / FAX +81-83-933-1483


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