[BlueSky: 4497] Re:4495 既存事業への愛着についての喩え話


[From] Minato Nakazawa [Date] Tue, 30 Jul 2002 12:21:57 +0900

中澤です。

Kikuhiko.Mizusaki さんは書きました:
>水崎@岐阜です。
>
>> と指摘されているように,作ると儲かる人たち。たぶんそういう人も
>> いるでしょう。その人たちは公共事業を私物化しているわけで論外です。
>
>土木事業を生業としている技術者として、ひと言です。
>公共事業を私物化しているのではなくて、土木事業はそのほとんどが公共事業しかあ
>りません。
ごめんなさい。舌足らずでした。第1のグループとして「作ると儲かる」
と言ったのは,土木事業をまっとうに生業としている人のことではなくて
(それは第2のグループ),事業を通すことに付随していろいろなお金が動く
ことから儲けを出している人(本当にいるのかどうかは知りませんが,
利権だとか世間から批判されているのはそういう人の存在を念頭において
いるのですよね,主に)のことです。

>税金の使われ方を、云々するのであれば、
>正当な税金の配分が出来ない官僚組織の方が問題だと思います。
たしかに。官僚組織において技官の地位を向上させる
改革は必要でしょうね。お金と法律に詳しい人がそのたびに
勉強するというスタンスの限界が出てきているのだと思います。

技術に詳しい人が軽視されている状況は,たぶん
公務員試験の段階でそうだから,制度的な問題で,これは
大きな既得権だから,改革しようとすると反発が大きい
ような気がします。

>従って、緑化などは、事業の基本理念を具現するための仕事をする事が
>非常に難しいのが実際です。
>また設計時点で専門技術者に対し、技術的に問い合わせがある事は非常に少ないた
>め、
>例えばもう少し勾配を緩くすれば、容易に元の森林が復元できるのに、、、
>と歯がみする事も少なくありません。
>実際に70度の傾斜に対し、植物を生やして、
>それが永続するなんて、誰が思っているのでしょうか??
そうですよね。実際の施行段階ではどうにもならないという
ことはあると思います。お察しします。

>役所が専門業者に対し、分離発注をすれば、
>極端な話し工事金額は、7割程度には圧縮できます。
>計画段階で、専門業者の意見を聞いて頂ければ、
>もっと他の解決方法を示す事も出来るはずです。
なるほど。例えば検討委員会などは,幹事(行政組織)
と専門家と議員と首長と住民代表で構成されていましたが,
専門業者(ゼネコンでなく)の技術者(営業でなく)も
入れた方がいいかもしれませんね。いいアイディアだと
思います。
幹事の説明ではデータが古かったり,よくわからないところが
ありましたから。

>工事を請け負った施行業者が、説明するべきは発注者である行政に対してです。
>また行政組織は、住民など事業により影響を受ける事が想定される人々に
>説明義務を有しています。
原則論としてはその通りですが,先ほど水崎さんも指摘された
とおり,官僚組織や行政には技術がないので,その説明は
住民まで届かないのではないでしょうか? ここで官僚が悪い
と言ってもなかなか問題は解決しないので,必要に応じて
直接説明する必要もあるように思います。

>問題なのは、住民もしくは住民の代表が、総意を表していない事。
>そして、いったん決議された事を、再度問題として捉える事が難しい事だと思いま
>す。
技術は日々変わりますし,住民の気持ちも日々変わりますから,
「おかしいんじゃない?」という声が出てきたら,見直しをする
ことは絶対に必要です。それを阻むのが「コンコルドのあやまち」
なのでしょう。

----
Minato Nakazawa <minato@ypu.jp> http://phi.ypu.jp/
Associate Professor for Public Health and Informatics,
School of Nursing, Yamaguchi-Prefectural University
Phone +81-83-933-1453 / FAX +81-83-933-1483


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。