[BlueSky: 4437] 「長野モデル」中水利用


[From] daphnia@crux.ocn.ne.jp [Date] Mon, 17 Jun 2002 21:19:34 +0900

こんにちは、佐川です。


「長野モデル」では、『中水利用を積極的に奨励する事により
CO2削減を図る』と提案していますが、下水処理部門に関する
CO2削減については提案されていません。

下水処理部門の目下の課題は、富栄養化対策、つまり窒素・リン等
の栄養塩類の除去ですが、富栄養化対策に関する技術は周知の通り
電力消費型でCO2排出の大きい技術なのです。

長野市の公共下水道は、標準活性汚泥法なので今後何らかの富栄養化
対策技術を採用する必要があります。
たとえば、比較的省電力型のステップ流入式多段硝化脱窒法を採用し
ても、中水利用によって期待される上水部門でのCO2排出削減量を
大幅に上回るだろうと予想されます。
また、生物学的脱窒素の過程で放出されるN2Oは、温暖化効果がCO2
よりも高いと言われれていますが、富栄養化対策が進めば、この温暖
化ガスであるN2Oの排出は確実に増加してゆきます。
つまり、水部門においては今後10年間といタイムスパンでは温暖化
ガスの削減は、不可能なのです。

下水道事業団
http://www.jswa.go.jp/gyoumu/gihyo18.htm
株式会社タクマ
http://www.takuma.co.jp/product/mizushori/02.html



さて、下水処理水の利用はどこまで可能でしょうか?
長野市の地図を見れば明瞭ですが、基本的に下水処理場は町はずれの
低いところに設置されます。
つまり、長野市においては、下水処理水は使えないのです。

ということは、中水(処理済み排水)利用に関しては別の考え方が必要
となります。





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