[BlueSky: 4394] 環境問題ＭＬにおける実名と仮名について。。その他。

[From] "gengorou" [Date] Sat, 8 Jun 2002 16:37:13 +0900

ゲンゴロウです。

一ノ瀬さんのご意見「実名による責任ある発言がblueskyの
原則」について、中澤さんから、お話がありましたので、
本来なら、もうこのことに対して発言してはいけないのかも
しれませんが、一般的なことに言及して、「実名、仮名」に
ついて、考えてみました。

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環境問題ＭＬにおける実名と仮名について、と、その他。
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　学術的なメーリングリストでは、多くが「実名」をその
規則にしている様です。それは「実名による責任ある発言」
という効果も考えてのことかもしれません。
今回は、この「実名と責任」について、すこし私なりの観
点で考えてみたいと思います。

「実名による責任ある発言」ということば、実は、ピンと
は来なくて、よく分からないのですが、それは「実名であ
ると、よく物事を考えて無責任な発言は少なくなる！」と
いう意味が、あるのかもしれません。（それだとして、考
えさせていただきます。）

ＭＬでの参加者に実名を求めるのは、おそらく「実名であ
ると、現実の社会での立場も危うくなるので、おかしなこ
とはなかなか言えないだろう」とか、「実名でない人の言
いたい放題の意見（暴言など）に対して、実名の人は、真
摯な対応を迫られ論争では不利になるので、フェアーでな
い」などということを意味しているのかもしれません。
確かに、それらはあると思います。しかし、それについて、
他の事柄が隠れていないかを、私は考えてみます。

－－－

①　「仮名の人は・・・」という考えが浮かぶ場合、そ
　　こには、実名である側が起こす問題が見落とされて
　　いる可能性があるような気がします。（人は一つ浮
　　かぶとそれだけが脳に留まり、結果、他を排除しや
　　すい）。
　　仮名の問題は、仮名と実名とを対比させると、また
　　別の面が見えてくるかもしれません。（たとえば、
　　以下の②③のようなこと・・・）

②　この社会を創出しているのは、建前ではなく本音だと
　　思いますので、本音を聞けるという観点から言えば、
　　実は、実名よりも仮名を使って発言している人のほう
　　が本音を言いやすいので、それを考えるならば、仮名
　　も悪くないかのではないでしょうか。仮名の人の存在
　　感謝するという解釈もできるのではないでしょうか。
　　　　（つまり実名こそが、不毛だったりもする。。。）

③　「実名を使うと責任ある発言が生まれる」ということ
　　が事実とするならば、「実名がその人の発言をコント
　　ロールしていて、その人自身は自分の発言をコントロ
　　ールしていない」ということにもなります。（社会依
　　存、集団依存、自己アイデンティティーの欠如）

④　「実名は責任ある発言をもたらす」は、確かにあると
　　思います。事実あるから、実名を求めているＭＬもあ
　　るのかもしれません。しかしその逆の「責任ある発言
　　をするために（のみ）実名を使っている」は、成り立
　　たないかもしれません。
　　なぜ？実名を使うかという理由は、実名を使う人にな
　　んらかの利益がある場合「も」あるのではないでしょ
　　うか。実名を使うことになんらかのメリットがある場
　　合、その裏にはデメリットがあるのは仕方がないのだ
　　と思います。

⑤　③に似たことですが、実名によって責任ある発言をし
　　ている人は、もしも、実名でなかったなら、勝手に不
　　謹慎なことを言う人間になるのでしょうか。
　　それならば、私としては、それこそ実名を使っている
　　人の本性が恐くなってしまいます。
　　逆に、仮名を使っていながら、その態度が誠実な人は
　　大変に信頼できるという錯覚も生まれてしまいます。

⑥　⑤で言うように、もしも実名が本音の発言を妨げてい
　　るのなら、このＭＬで立派なことを発言して、それで
　　良い成果が生まれたとしても、本音ではその様なこと
　　を考えていないということも起こり得るので、本当の
　　部分を隠して語り合うことは、それこそ不毛で、それ
　　が起きているのであれば、全ての人が仮名での発言を
　　することを、私は望みます。

⑦　もし、仮名（ハンドルネーム）で、大変にひどい発言
　　をする人間が登場したなら、それは、現実社会では表
　　に出て来ない人がＭＬに登場したということで、その
　　本当の姿を見られたと、現実主義者ならば「やっぱり
　　いやがった！」と喜ぶべきだと思います。現実は幻と
　　言われる意味は、この変にもありそうな気がします。
　　（私は恐くても真実を知りたい。）

⑧　上記⑦より、もし現実が建前、隠蔽、逃避の社会なら
　　ば、匿名可能なＭＬのほうが、本来の現実の姿が現れ
　　やすいかもしれません。そして、現実問題の事柄を、
　　考え話し合う場では、もしかすると仮名の方の参加は
　　必要なのかもしれません。

－－－－
・・・こう考えてくると、いくつものことを思います。

①　実名で本音？を言っている一ノ瀬さんの「実名による
　　責任ある発言が、blueskyの原則であったはずです」を、
　　もう一度読むと、一ノ瀬さんの正直で勇気のある人柄
　　を感じます。偉いな～と思います（本当です）。

②　このＭＬの規則？に匿名性が許されていることは、大
　　変な熟慮の結果なのではないか？という想像が生まれ、
　　このＭＬの創設者の方々の環境問題にたいする熱い思
　　いを改めて感じました。

③　閉じたＭＬ（実名、所属を明らかにするＭＬ）は、こ
　　のＭＬというシステムを通信手段に使っているにすぎ
　　ない、あるいは、単体の脳の交信手段にすぎないとい
　　うことにならないだろうか。
　　　（これもあり、だとは思いますが・・・）

④　思想の自由、発言の自由は、上記のように現実の真実
　　を見る芽を促し、その自由な思索から生まれる産物が
　　社会に還元され、国家的にも有益であると知ったこと
　　が、近代に自由主義を生んだ理由なのかもしれません。
　　が、、、日本では、自由の恩恵が知られていないため
　　に、「自由な思想を互いが妨げる力」が未だに各自に
　　働いているのかもしれません。今、やっと手に入れた
　　自由な発言の場所（ＭＬ＝匿名会議システム）でも、
　　自由な発言を奪う動きになると、日本は、また一つの
　　チャンスを闇に葬って、世界に大きく遅れをとってし
　　まうかもしれません。

⑤　実名であるという利点は、画期的な発想（理論）を為
　　した際に、現実社会でも知名度が上がりますが、その
　　反面リスクもあり、もし、アホなことを言ってしまう
　　と、実社会でダメージも受ける可能性がなくもない。
　　人は、ダメージを受けた際、その加害者を身近な者に
　　する傾向があるので、実名者は、その対極にある仮名
　　者のせいにしてしまう可能性も隠れている、、という
　　ような可能性も考えられます。（あるとは言えないが、
　　ないとも言えない・・・）仮名で投稿している人には
　　リスクはないとも言えますが、メリットもない。
　　つまり、実名と仮名とは、「名」という漢字はついて
　　いますが、比較し対立するものではないのかもしれま
　　せん。

⑥　どこぞの国の大蔵官僚がノーパンシャブシャブで名刺
　　を配っていましたが、あれは、実名。。。大したもん
　　だと思いますが、それは閉じた世界の話で、もし公に
　　実名が公表されると分かっていたなら、名刺を出して
　　豪遊していたかどうか・・・。。日本という国は、ほ
　　んとうに面白い人達がいる国です。

⑦　上記⑥から妄想を膨らませると、「同類で群れると実
　　名も恐くないのかもしれない」と考えられるのと同時
　　に、「実名（社会的背景）に依存すると、やがては同
　　類で群れる」ことになってしまうのかもしれません。
　　全体主義に移行して、保守的になり、排除が始まり進
　　歩がなくなる。

⑧　個人尊重が唱われる国では、名は、各自の区別のみに
　　使われているというようなことを聞いたことがありま
　　すが、このあたりのこと（⑦）も関係しているのでし
　　ょうか。。。

－－－－－
私としては、匿名は、私が臆病なので、なんの制約もこだわり
も、何もない環境で、自由な思考をしたいので使わせてもらっ
ています。（誰にも知られていない私というのも、結構、寂し
いものがありますが・・・・）

ゲンゴロウ
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