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ゲンゴロウ通信（ディズニーランドのゲート）
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スッタタタタタタタ・・・・・
ソクラテス「お。コロコロじゃなかった，これこれ，ゲンゴロウ」
げん「あ，ソクラテス先生！気が付きませんでした。
すいません。お久しぶりです。」
ソク「ん，そうじゃのう。
ところで，そんなに急いで，何処へ行くのじゃ？」
げん「ディズニーランドにみんなと明日，行くので，おやつ
を買いに行きます。」
ソク「おー，それは楽しいナー。だれと行くのじゃ？」
げん「仲のいい友達１２人と行きます。じゃ，先生，失礼します。」
ソク「ちょ，ちょっと待て！待て。良いことを聞きたくないか？」
げん「けっこうです」
ソク「おーそうか，そうか，聞きたいか！よしよし。可愛い奴じゃ。
おまえ，今，仲の良い友達と行くと行ったが，それは，
デイズニーランドの入口までじゃぞ。その後は，気を付
けないと，かならず，仲間割れを起こすゾ。」
げん「そんなことありませんよ。みんなディズニーランドに行
こう！とディズニーランドがとっても好きな連中が集ま
ったんですから。」
ソク「そこが，問題なんじゃ。気を付けないと帰りは，仲が悪
くなってしまうぞ」
げん「・・・なんか，今日の先生はまともだナー・・・」
ソク「よいか！ゲンゴロウ。今お前達仲間の意識は，何でまとま
っているかというとだな。デエイズニーランドまでなのじゃ。
いくら仲が良くてもゲートを通過したとたんに目的は，
新たな目的になるのじゃ。どの乗り物に乗るかで，必ず，
もめる。もめた上に，別れ別れになる場合もある。」
げん「ふーーーーむ」
ソク「人間はな，ゲンゴロウ。人間は一固まりで一つじゃから
同時に二ヶ所の場所には行けんのじゃ。ところが，集団は，
分裂して二ヶ所の場所にも三ヶ所にも行ける。
一つの意識で集団を作るが，個々にも意志がある。
意志には目的がある。集団は目的が一つの時には，
一つの意志が作られるが，容易に分裂できるために，
複数の目的と意志が出来やすいのじゃ。その上，
デエイズニーランドには，人を呼び込むための魅力と
可能性が巧みに隠されておる。そこに，お前らが行っ
たらどの様なことになるか。わかるか？」
げん「はい，なんとなく分かります。」
ソク「そしてじゃ。人間は可能性を知っている。その可能性が，
複数の意志を心に描いておる。ところが，身は一つなので，
それを束ねる選択と判断の能力が付いたのじゃ。ところが，
それは，複数の意志が一つの身に押し込められた事に
よって生まれたのじゃから，容易に分裂できる集団において，
人間は可能性を求め始めるのじゃ，うんうん。・・・」
げん（・・・やっぱり，また、病気がはじまってきた・・・）
ソク「・・・そして，お前に，もしも意志がないとしても，
お前以外の者が意志を持つと，お前にも方向性が誕生
してしまうのじゃ・・・集団にあっては，個人に意志
がなくても必ず，方向性が個人に添加され，お前以外
の者にはお前の方向性が問題になることになる。・・・
他によって，お前は，動き始めざるを得ないことなっ
てしまうのじゃ。気を付けてもダメじゃ。
人間は，この宿命を早く認識せにゃいかん。
そこで，集団には，集団である限り，集団を一つにする
ためにリーダーが，必然的に存在し始めることになるの
じゃ。そのリーダー自身も，この集団と個人の宿命に
翻弄されてしまうことになる。
分かっておるのかゲンゴロウ！ううーーーん？」
げん「分かりました。分かりました。先生がリーダーに
なるって言うんでしょ。」
ソク「うん？リーダーか。そういう手もあったな・・・
さすが，ゲンゴロウさんだ！」
げん「・・・・知ってたくせに。最初から行きたいって
言えばいいのに・・・・・・」
ソク「おやつは，何にしようかのう？ゲンゴロウ！」
げん「・・・・もういや！！」
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