[BlueSky: 4357] Re:4338 京都議定書を批准しても対策は幻


[From] "ICHINOSE,Takeshi" [Date] Thu, 06 Jun 2002 00:01:18 +0900

尼崎市の一ノ瀬です。
中澤さん、ご意見有り難うございました。

 正直言って、一連のみなさんの発言を読んでいて、ややピント
がずれているのではないかと感じています。

 もともとの論点は「京都議定書の国際公約をどうやって達成す
るか」でした。

「長野モデル」の様な取り組みはどんどんやって行くべきだとは
思いますが、結局の所、国民の意識改革と自主的な協力がなけれ
ば何も進みません。マイカー自粛の協力しない国民が居るからと
言って、国家権力で処罰したり強制したりすることは出来ません。

 つまり、国は公約してしまったけれど、長野モデル的方法では、
公約の実現は僥倖に期待する以外にないのです。
 #4295で紹介されていた団藤氏の指摘は、正にこの点にあったか
と思います。また、私の憂慮もそこにあります。

 私のこの心配に対して、以前ある人は、
「一所懸命にやって、それで達成できなかったらしようがないじ
ゃないか」
という反応を示しましたが、EUはそう言う甘い対応はしません。
”Fossilは制裁すべきだ”と主張することでしょう。
また、逆に何の制裁もない様ないい加減なものであれば、そもそ
もCOPなんて無意味です。


中澤さん#4338<
自動車通勤半減の壁になるのは経済への影響よりも,人の心の中
の車への愛着であるような気がします。マイカー通勤を半減して
も,経済社会への悪影響はあまりないのではないでしょうか。

 車への愛着が最大の障害であることについては異論はありませ
んが、経済への影響も短期的には甚大です。この甚大なデフレ圧
力を乗り越えられなければ、そのまま落ち込んでゆくことになり
ます。
 例えば10年以上の時間をかけて、少しづつ経済構造を改めて
行く分には危険は小さくなりますが、短期間で無理矢理変えよう
とすることは危険です。(時間がないので、詳しい解説は勘弁し
てください)

 やむを得ないことかも知れませんが、どうもこのMLでは、経
済への影響を軽視する傾向が強いように感じます。
 確かに、経済的影響を気にしてばかり居ては削減は出来ないし、
目前の経済問題に気を取られて禍根を将来に残してはいけません。
けれども、目の前の状況は深刻です。
 国の経済崩壊を起こして、資金が無くなれば、環境対策や経済
構造の改善も進められなくなります。仮に自動車工場が要らなく
なったとしても、その工場を処分して無害化するだけでも相応の
資金が必要なのです。

 ちなみに、私が住む関西圏の失業率は、既に7%を越えていま
す。ホームレスも増える一方です。そのなかで、”経済社会への
影響はあまりないのではないでしょうか”と言われても、、、




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