[BlueSky: 4308] Re:4281 捕鯨・多様性・ Racism


[From] "ICHINOSE,Takeshi" [Date] Fri, 31 May 2002 00:37:42 +0900

尼崎市の一ノ瀬です。あらいさんは、こみやさん、ご意見有り難うございまし
た。

 あらいさんは、捕鯨に反対の立場のようですが、ご意見(#4281等)を読む
と「なぜ、捕鯨に反対しているのか」分からなくなってしまいました。

 捕鯨に賛成しない理由は「クジラは知能が高いからとってはかわいそうだ」
というご意見かと思ったら、そうではない。
 一方で、

あらいさん#4281<
文化的多様性は人類にとって非常に貴重な資源であると思います。ただそ
の多様性が進化する過程では当然取捨選択が行われたはずです。グローバリゼ
ーションが文化の多様性を減じるのではという議論がさかんですが、異なった
文化との接触が増えることでより多様な文化を生み出すこともあるとおもいま
す。問題はそれをどうとらえるかであって、単純な押し付けともいえないので
はないでしょうか。またその過程で消えいく文化も当然あるでしょうし、「今」
の文化をそのまま残すというのは、進歩を止めることであって、未来に継がる
のでしょうか。


とも主張しておられますが、これは、「捕鯨という文化は消え去るべきだ」と
いう主張としか読めません。

 なぜ、捕鯨という文化は消えなくてはならないのですか?
 ヒンズー教徒は、牛を聖なる動物として大事にして、殺して食べるなどしな
いと聞いていますが、ヒンディーの文化は消え去らねばならないのでしょうか?
 そして、牛を殺して食らう文化が生き残ることは「進歩である」とおっしゃ
るのでしょうか?

 上記の#4281の御発言は失礼ながら、特定の文化が他の文化を圧して生き残っ
てゆくことを進歩と見なす主張としか読めません。それは、正に、多様性を否
定する、文化的優生主義思想と言えます。
 今の世界は、「民族自決」を共通の価値として認めっていることを、忘れな
いでください。

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 もし、上記の部分の私の解釈が誤りだとすると、あらいさんが捕鯨に反対さ
れる理由は、発言の他の部分に求めなければなりません。

あらいさん#4281<
この点(捕獲頭数を管理すること)はいまだに困難だと思ってます。だって、
結局(狂牛病)問題が発生したわけですよね?
しかもそのあとの政府の手際のよさと業者の消費者主義を考えるとやっぱり難
しくないですか?また仮に商業捕鯨が再開されて、日本で高く売れるとしたら、
当然他国の参入もありますよね。それでEUでも。。。という話をしたのです。
またそのときには日本の業者への割当が減るはずですが、それでも産業として
成り立っていくでしょうか?僕の勉強不足かもしれないですが、そういった議
論はあまり深まってないですよね。それで可能なら捕鯨再開を求めていけばい
いし、無理ならもう諦めるしかないですよね。無理なんだから。

 この部分の御発言は、失礼ながら、何を言いたいのか分かりません。
 現在、何万頭か分かりませんが、国内の牛肉については、完全に狂牛病の
チェックがなされています。50頭だか25頭だかのクジラを管理することが、
どうしてできないというのか、理解できません。

 また、産業として成り立つか否かは、究極的には漁業関係者に任せればいい
ことで、素人が”議論が深め”ても、的はずれの答えしか出てきません。
産業として成り立たないのならば、捕鯨を再開したところでそのうち消滅する
だけのことで、何の問題も生じません。補助金が問題だとおっしゃるのならば、
補助金に反対するのが筋で、捕鯨そのものの禁止は、筋違いです。
 南氷洋まで出かける捕鯨を、調査捕鯨クラスの捕獲頭数で成り立たせるのは
明らかに不可能です。けれども、日本沿岸でのミンク鯨の捕鯨にかかるコスト
を、調査捕鯨と同次元で語るのは完全な誤りです。もし、これが成り立たない
ので有れば、日本の沿岸漁業自体全て成り立たないのではないでしょうか?

 かつて、日本の漁師が、自分たちで費用を負担して、イルカを大規模に駆除
したことがありました。このことは、食べるための捕鯨以外にも、漁業資源保
護のための捕鯨が、完全に商業ベースで成立することを示唆しています。


あらいさん#4281<
それにミンククジラが魚を食べてるって。。。 それは食べるでしょ。漁業資
源が減っているのはとりすぎが大きな問題で、それを鯨のせいにするの議論は
正直好きになれません。

 日本人はマグロ等を食べ過ぎて居るとは思いますが、イワシ、サンマ等のク
ジラによる補食量が膨大であることは科学的事実なので、これを好き嫌いの観
点から否定していただいては困ります。

 それに、人類が魚を食べる以上、クジラとの間では競争関係が生じます。場
合によってはクジラの数を調整しなければならなくなるのは道理です。
 人類は陸上においては、在来の野生生物と土地の取り合いを行いました。そ
して人類は、野生生物を死滅させ、その後に自分たちの都合の良い作物や家畜
をはびこらせて来ました。だから、僅かに残った野生生物が増えて、保護区か
ら溢れてくると、未だに撃ち殺したりしていますよね?
 この事実を、あらいさん流に表現し直すと
「野生生物が農作物を荒らすのは、要は人間が彼らの生息地を奪いすぎたのが
原因で、それを野生生物のせいにする議論は好きになれません」
となります。
 じゃあ、全ての農地を、原始の状態に戻しますか?

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あらいさん#4281<
すみません、勉強不足で知らないのですが、アイスランドは商業捕鯨ほ再開し
たのですか?

 これは私の勘違いだったかも知れません。
 が、既に上で述べた通り、商業捕鯨が成り立ち得るとの判断に変更はありま
せん。


ところで、鯨って本当に美味しいんですか?日本で出回っているのはイルカも
おおいですよね。やっぱり味違うんだろうか。。。

 魚を食って育った鯨はまずいんじゃないでしょうか?




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