[BlueSky: 4296] Re:4295 京都議定書を批准しても対策は幻


[From] Minato Nakazawa [Date] Thu, 30 May 2002 15:18:17 +0900

中澤@山口です。

Sato さんは書きました:
> これなどを読むと、如何に日本政府が深謀遠慮なしに政策を決めて
> いるのか分かる気がします。自分で自分の国の首を絞めるような事
> をしてるんだなぁと理解してきました。国民の個人個人の受け取り
> 方や、意識を問題にするのではなく、国としてどうすればよいか問
> う姿勢はさすがジャーナリストだなぁと思いました。
具体的な対策ということでいえば,先週だったか信濃毎日新聞に出ていた
『地球温暖化対策「長野モデル」提言書』は,個人的にはかなりインパクトが
ありました。

web上に全文がある場所は見つけられなかったのですが,
http://www.sankei.co.jp/databox/tanaka/tanaka.html
http://www.shinmai.co.jp/news/2002/05/28/004.htm
に部分的に載っています。
# 全文のありかをご存知の方がいらしたら,教えてくだされば幸いです。

コンビニの営業時間を短くするとか,環境税導入とか,小中学校への
太陽光発電導入とか,市内の自動車通勤を半減させるとか,6%削減
を実現させるための具体的提案になっていて,個人的には(部分的に
注文はつけたいけれども)大いに支持したい内容なのですが,完全実施と
いうことになったら,とくに車通勤半減というのは,車社会である
長野県には,かなり強いインパクトがあるのではないかと思いました。
その意味では,もっと社会的に大きな反響があってもよさそうなもの
ですが,産経の記事で田中知事が「政治生命,行政生命を賭けて行う」
と発言しているわりには,議論は盛り上がっていないような気がします。
どうせ完全実施はされないだろうと思われているのか,それとも
みんなが賛同しているのか,どうなのでしょう?

昨年暮れにでた「2ちゃんねる宣言」という本の終わり近くで
巨大掲示板「2ちゃんねる」の管理人西村博之氏と,社会学者の
宮台真司氏が対談していて,犯罪検挙率の低下と人々が共通してもって
いる暗黙の規範のようなもの(本の中での宮台氏の発言では聞き覚えのない
専門用語が使われていたのですが忘れました)の消失の関係を示唆している
ところも面白かったのですが,国の政策にインパクトを与えるには,
有力な政治家に何かを言ってもらうことも必要だけれど,それだけでは
なくて,その発言があったときに「ああ,そういえば」と周りの政治家が
思ってくれる材料が世間にあって初めて流れが変わるというような主張を
していて,なるほどと思ったことを思い出しました。
つまり,長野モデルがうまく行くならば,それは国の政策にインパクトを
与えうるのではないか,ということで,その意味でもこの提案は重要だ
と感じたのです。件の団藤氏の記者コラムでも取り上げられていなかった
ので,たぶんまだpublicityが足りないのでしょうが。

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Minato Nakazawa <minato@ypu.jp>
山口県立大学看護学部 公衆衛生学・看護健康情報学
Phone 083-933-1453 / FAX 083-933-1483


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