[BlueSky: 4066] Re:4062 選択肢。他。


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Mon, 15 Apr 2002 16:57:14 +0900

こんにちは、葛貫です。

discussionの対象にならない雑文なので、私信にしようかなとも
思ったのですが、お時間がある方、お付き合い下さいませ。

阿部@イジャペルさんwrote:
>  人類が目指して来た社会は、誤解を恐れずに言えば今も昔も『遊
> んで暮らす』ことが可能な世界なのだと思います(自己家畜化とい
> う単語もありましたっけ)。

「NetScience Interview Mail 」で配信して下さったインタビューなの
ですが、「平藤雅之氏(計算生物学、アグリインフォマティクス)」
http://www.moriyama.com/netscience/Hirafuji_Masayuki/index.html
「遊んで暮らす」話と関係があるかも(^^)。

> 一人当たりの生産は増加し、生存に必
> 須では無い労働の比率が上昇し続けているのは、数字を挙げて説明
> する必要もないくらい明確な事実です。
・・・中略失礼・・・
> 社会が必要とする労働<労働を希望する人の数
> 既存労働力−社会が必要とする労働→生存に必須ではない労働

1月8日の朝日新聞に養老孟司さんが書かれた「人類はゴミで滅ぶ
(明日はあるか「異分野」発:7)」というコラムを思い出しました。
http://www.asahi.com/edu/nie/syasin/kiji71.html

「生存に必須ではない労働」も、それなりに意義があるものをつくり
出していると本人が感じられればよいのですが、浪費されるものを
つくっているのさ、という自覚が何処かにあると、何だか、その人自身
まで浪費されているようで、心が病んでしまいそうな気がします。

>  それでも豊かになることで、我々の地球は少しずつでも地球Bに
> 近づきつつあるのだと思いたいですね(とんでもない回り道をして
> いるのかもしれませんが)。

イジャペルは、そう思えるところですか?
日本は、不帰点を越えなんとしているように感じられます。

> きっと米国民は自己
> 家畜化が進み過ぎたので、ああなっちゃった(複雑な世界を受け入
> れるのではなく、複雑さを生み出す他の存在を排除したがるように
> なる)のかもしれません。

古来からの文化を密かにでも守ろうとしている原住民と、多種多様の
文化を抱える移民が混在する複雑この上ない国のはずなのに。
質というより、量に物言わせる国としてまとまっていくためには、
単純化する必要があるのかもしれませんが・・・。

> だから科学の現場では無い部分で、既存の宗教を信じると
> いうことも、アリなんだろうと思います(私には無理ですが)。

>  テーマの選択、手法の選択では、ある程度までは可能なのですが、
> そこから先は自動的に導かれるモノでなければならない(違う結論
> を導ける結果では突き詰めが不充分、ということ)ので、難しいで
> すね。

新約聖書の「ピリピ人への手紙」の中に、「あなたがたが違った考え
を持っているなら、神はそのことも示して下さるであろう。ただ、
わたしたちは、達し得たところに従って進むべきである。」という
パウロの言葉があるんです。

この「神」を特定の宗教の神ととってしまうと鼻持ちならないものに
なってしまうのですが、「自然の摂理」のようなものと考えると、
“We must hold on to what we have attained.”という最後の一節は
その摂理を突き詰められない人の不完全さに対する赦しのようにも
感じられます。
って、誰に許してもらわなきゃならないんだい?、なのですが(^^;;。

>  メールは簡単に送れるのですが、言語コミニュケーション能力が
> 洗練されていないと、誤解を招いたり、誤解したり、ということが
> ホントに多くなりますよね。まぁ、こればっかりは経験で洗練させ
> るしか無いのですが。

はい、そう思います。

>  本を読まなくなった事による言語コミニュケーション能力の発達
> 不全が問題にされる事もありますが、ネットワーク文化の広まりと
> 共に払拭される問題なのかもしれません。

ネットの世界では、丁寧にコミュニケーションするより、接続を切って、
もっとピッタリの言語感覚を持つ相手を探そう、という方向に傾くこと
もあるわけで、「青い鳥」を追うことをやめない限りコミュニケーション
能力の洗練にはつながらないかもしれませんね。
使い方次第ですね(自戒をこめて)。

では。




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