[BlueSky: 4032] Re:4031 地球の温暖化は弱者には悪


[From] "suka" [Date] Thu, 4 Apr 2002 08:10:01 +0900

横山さん 佐藤さん みなさん

   須賀です。

佐藤さんへの横山さんのご意見を拝読してみっつの
ことを思いました。

1)地球規模の空間的・時間的スケールでたいしたこと
でなくても、地域や家族、個人といったレベルではたいした
ことになりうる、というのは確かにもっともだ。

2)「悲観的」「楽観的」ということばのつかいかたに、横山
さんと僕とでは嗜好のちがいがあるな。

3)佐藤さんの意図は、かならずしも産業界のプロパガンダ
というところにはなかったのかもしれない。

というみっつです。

横山さん:
> 私は小さな南の島が海の底になる恐れがある「だけ」で、
> 非常に大したことだと思いますね。

僕もそう思います。バングラデッシュのように国土の多くが
低地にある場所も大きなダメージをうけるという予測を
よんだ記憶もあります。また気候変動の結果として、洪水や
干ばつがおこりやすくなるという話もありますね。

シベリアやカナダが穀倉地帯になるとしても、今の土地利用
が大きくかわることで野生生物やその生息環境への影響も
あるのではないでしょうか。一方、より低緯度の地域の農業
がダメージをうける心配もあるように思います。

また日本のように沿岸部に人口が集中している国では
堤防のかさあげのためにあらたに膨大な公共事業が必要
になるのではないでしょうか。

横山さん:
> こう言う問題を考える場合「楽観主義」ではなくむしろ「悲観主義」
> に立った方が良いのではないでしょうか。「楽観主義」は往々にして
> 「今を変えたくない」、「儲かりもしないことは何もしたくない」と言う暗黙
> の欲求から来ているからです。

現状やそれがもたらすであろう結果については「悲観的」な
観測をしたほうかいいと僕も思います。そして行動すれば
何がどうかわるかについては「楽観的」な気持ちももちたいと
思います。ことばの意味は前後のつながりかわりますが、
僕の場合、
「悲観主義」ということばからは、行動してもどうせよくは
ならない、という消極的な態度、
「楽観主義」ということばからは、行動すればなんとかなる
かもしれない、という前向きな態度
を連想する傾向があるようです。

「悲観的」な予想はわるいことではないけれど、意思や行動
については「楽観的」なとらえかたを大事にしたい、という
気持ちがあります。

「悲観」を「主義」にまでは高めたくない、といったらいいので
しょうか。これは気質のせいもあるのかな。それともちょっと
拡大解釈でしょうか。

横山さん:
> 佐藤さんの問題設定は、高度消費文化をもっと続けたい。
> それによってもっと儲けたいという産業界の陳腐なプロパガンダ
> に聞こえますね。私には。

僕はかならずしもそうは思いませんでした。科学者は、どんな
ことにでも疑問をもつこと、また疑問がある以上それを口に
するのが公正だ、と考えるよう日々奨励されているように思い
ます。その結果としてのべたことが、産業界の利益にむすび
つくこともあるしそうでないこともある。そのような社会的な
背景には注意ぶかくあったほうがいいと思いますが、発言の
意図はそれとは別のところにある場合もある。このことは、
注意深く腑分けして考えることで、むしろ問題がはっきりと
みえてくるのではないでしょうか。

   須賀 丈


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