[BlueSky: 4021] Re:4020 ゲノム解析


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 19 Mar 2002 12:36:25 +0900

葛貫です。

邑瀬さんwrote:
> ところで、タンパク質の高次構造はすべて自動的に決まるのでしょうか?
> つまり、エネルギー的に一番安定な形になっているのかということです。
> 分子シャペロンなどが(タンパク質の折りたたみの場を提供するだけで
> なく)積極的に関与して、二番目や三番目に安定な形に落ち着かせたり
> していないのでしょうか?(←単なる疑問です。)となると、これまた
> 計算機上だけでは対応できなくなります。

不適切な表現でした(^^;;。
生体内(細胞内)の環境が遺伝情報が持っている設定の範囲にあるなら、
プログラム通りに、いくつかの中間段階を経て、「あるべき姿」に落ち着く
ようになっているのだろう、という意味で「自動的に」という言葉を使って
しまいました。

あるひとつのタンパク質ができるには、アミノ酸の「ひも」ができたあと、
金属イオンをとり込んだり、糖鎖等の修飾を受けたり・含硫アミノ酸の
架橋ができたり(これらの反応には、それぞれタンパク質でできている
酵素がかかわっている、複雑(^^;)機能を発現するようになるのですよね。
(誤解していたら、ご指摘下さい。)

ここで、あるはずの物質がなかったり、初期設定にはない物質が存在したり
して、細胞内の環境が遺伝情報がつくられた時の設定とは、異なったものに
なっていたら、違うタンパク質ができてしまうことになりますよね?
DNAの塩基配列の解析だけではなく、酵素反応が起きる細胞内の環境も考え
合わせなければならないんじゃないかなと思って【4015】を書いてみました。


別の話になってしまいますが、「望む機能を持つタンパク質をつくる
ためにアミノ酸配列(DNA塩基配列)をデザインする」というアプローチで
研究をしている方もいらっしゃるようです。
大阪の方だったと思います(^^)。

「阪大、バイオ研究にグリッドコンを初適用」
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/medi/172786
という記事を最近、見かけました。


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