[BlueSky: 3922] Re:3906 給食


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Fri, 01 Feb 2002 11:05:43 +0900

澤口@一升金です。

NOIKE Motokiさんの<3C57E10F.5BA4448E@grn.janis.or.jp>から
>給食をとおして、食の地域自給率を高める(しいては日本の)という試みに
>大きな可能性があると思うのです。
>「地産地消」ですね。
地産地消というと、立ち上げの時に何かと言葉で「特別なもの」扱い
の付加価値をつけたりするケースがありますが、わたしは、やはりそ
れが「身近で平凡・当たり前」のものだから使う、という姿勢が必要
なのではないかと思います。
文化・風景としての連携感ですかね。

>食材からの生産から調理くずや食べ残しの処理まで小さなな循環を
>目に見える形で実現できるかもしれません。
重要なことは、ひとりひとりが循環を具体的な目に見えるイメージ
で捉えられることだと思います。

>(各都道府県にセンターを置くことになっています)
う、うち(岩手)にはないぞ!

>できるだけ小さな範囲での循環を考え、それから少しずつ範囲を広げて考えていく、
>たとえば、まず自分のまわり、次に家、つぎに学校区、つぎに基礎自治体、
>次にその周辺、次に都道府県レベル、つぎに隣県を含め、次に日本、
>次に隣国を含め、というように。
>
>環境問題へのアプローチには、こうした順序があるのではないかと、
>ぼくは思っていますが、いかがでしょう。
これは昔からいわれているところの、「兵力の逐次投入」という戦略
でして、孫子の時代に既に間違いとされているものです。
和尚さんなら、環境システムは複雑系だから、部分最適化をいくら繰
り返しても全体の管理にはならないと言うところでしょう。
これは経済で考えてみていただければわかりやすいかと思います。
狭い地域の中の特定の商店や商品を取り上げてそれを持ち上げるのは
それほど難しくはありません。みんながちょっとづつそれを意識して
商品を購入すればいいだけです。
うちの近所には婆さん一人でやっている小さい食料品店がありますが、
地域の人が一ヶ月にそれぞれ菓子パン一個を余分に買うだけで売り上
げは多分4倍くらいになります。
しかしながら、地域全部の農家の産品収入を増やすとなるとかなり意
図的に購買の誘導をしなくてはなりません。
この時点で、ごく狭い地域内では考慮していなかった情報流通や物流
コストが無視できなくなります。
実際、現在の地産地消はここらのコストを大量生産・大量販売の部門
に押しつけているので、少しごまかしがありますね。
で、この規模になってきますと、例えば物流のトラックが一度でも死
亡事故を起こすとメリットなど全てふっとんでしまうことです。
さらにグローバルになりますと、生産者間の競争・消費者間の競争が
入ってきますから、単純に「近くのものから好意的に購入する」では
ブロック全体の経済力は上がりません。
環境問題もこれと同じで、考慮規模が大きくなるにつれて。「隠され
ていた、意図しないストーリー」が顕在化することになります。
かのPCBでさえ、あれが採用されたのは電力機器が小型化できて資
源消費が減らせる、なおかつ難燃性なので火災も減らせる、すなわち
環境によかれという意図があったのですよ。


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