葛貫です。
邑瀬さん:
> 遺伝子は頻繁にやりとりされているということですね。
> この場合、組み込んだ遺伝子がトレーサーの役目をしたわけです。
> 組み込んだ遺伝子がほかより伝播しやすいということは考えにくいので、
> 大量に栽培されている作物ならば(GMに限らず)、
> その遺伝子が畑の外に出て行ってはびこる確率が高いということですね。
そうですね。
以前、邑瀬さんが投稿なさった【2118】にあった
http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/2118.html
> したがって、自然環境というマクロなレベルで論じる場合、どういう分類の細
> 菌がどれだけいるという捉え方には限界があると思います。様々な機能をコー
> ドした遺伝子プールが存在し、細菌(細胞)はそれらを包むカプセルに過ぎな
> いという捉え方を私はしています。つまり、遺伝子プール内において遺伝子の
> 種類自体は変わらず、環境条件によってどの遺伝子が台頭してくるかが違うだ
> けで、その他の遺伝子は環境が変化したときの予備軍として密かに受け継がれ
> ているのではと思います。
を読んだとき、目から鱗が落ちたような気がしたのですが、
細菌だけではなく、真核生物でも遺伝子はダイナミックに
動いているのですね。このような視点から見ると、また違う
「いきもの」の世界が見えてきますね。
この組み込まれた遺伝子も、限りなく増えるというものではなく、
他の遺伝子とのせめぎ合いにより、ある振れ幅をもつ範囲に
収まるようになるのでしょうか。
ある遺伝子が、従来存在しなかった経路で伝播することが
生態系にどのような影響を与えるか評価するのは難しく、
今後の課題となることと思いますが、遺伝子が流出し増えて
しまうのでは、遺伝子組み換え作物を作って特許とっても、
それほど意味がないかもと思うと、ちょっと笑えました。
そういえば、
「細菌使って病気防ぐ 世界初のイネの生物農薬実用化」
http://www.asahi.com/national/update/1128/020.html
という記事も見かけました。
農薬や肥料等の物質を使う方法、遺伝子を組み込む方法、
細菌を使う方法、コイやアイガモを使う方法、等々、いろ
いろな、農業への取り組み方があるんですね。
適材適所ということになるのかな。
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。