[BlueSky: 379] Re:368 子ども要らない現象


[From] kuga@nacri.pref.nagano.jp (KUGA, Hitoshi) [Date] Tue, 10 Aug 1999 12:01:48 +0900

葛貫さん、長峰さん、みなさん

                        陸です。
葛貫[368]さん;
> 私には、長峰さんが【322】で書かれていたように、
>
> >少子化の原因は、先に書いた私の全然根拠がない仮説から、今の環境よりも、今
>親になる世代の人が育ってきた環境にあるのではないかと感じて
> います。
> ・・・・・・中略・・・・・・
> >6が身体的理由なのであればこれを除外して、他の理由は、本気で子供が欲しい、
> 必要だと思うのならば、特別な場合を除いて解決できる問題だと思います。
>
> であるように思われます。

私は、長峰[322]さんは、少子化問題は主として社会の問題である、とおっしゃって
いると受け取っています。

葛貫[368]さん;
> 社会的な問題もあるけれど、それは、産む意志があったらクリアできない程のもの
> ではない、もっと貧困な国の人達が、子供を産むことを望み、育てている。
>
> 生物として極自然な産み育てるという行動を避ける、自分の遺伝子をdead endに
> 追い込むことを選ぶということは、生物として自然な発達段階で与えられるべき何か
> が欠落して、発達が阻害されているのではないか、今の出産適齢期を迎えている者
> の親世代が、与え損なったものがあるのではないか、と思われました。
> 物やステイタスでごまかされ、生物として基本的なケアを受けられないまま育ち、
> 年齢は大人になっていても、どこか自分ではどうすることもできない未成熟な部分が
> 残っている場合もあるのではないかと思われました。
> 隔離されて育てられた子猿とは関係ないかもしれません。


 長峰[322]さんがおっしゃるように、社会的な制約には個人の意志だけではどうに
もならない部分もあって、それがヒトの生物としての正常な発達を妨げるほどになっ
ている、という点では全く同感です。
 ただ、それを解決しようとするなら、社会の今のあり方をどうするか、ということ
が主要なテーマであって、サルの隔離は傍証にはなるかもしれないけれど(私はサル
の隔離は人間の社会的な疎外とは意味が全く異なると思っていますが)、それ以上の
ものではないと思います。わざわざサルの例を引き合いに出すまでもなく、人間を医
学や心理学等々から直接調べてみれば良いわけです。
 

★以下問題が少々脱線しますが、「貧しい」国の人々が「子供を産むことを望み、育
てている」のは貧困ゆえという場合もあるのであって、単純ではないです。いずれに
しても、子どもの数の問題は基本的には社会的な問題であって、霊長類の生物学的な
現象をいくら研究しても課題は出てこないだろうと思います。

‥‥「(アフリカでは;引用者注)子供はなお野良の手伝い、老後の頼り、性的能力
のシンボル、そして一定の住民の間では、死んだ親の霊と現世とを結ぶ、などの意味
を持っている。そして避妊方法は普及していない。」(『飢餓 それは人災か?』国
際人道問題独立委員会1985)


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 陸  斉 (KUGA, Hitoshi)
  kuga@nacri.pref.nagano.jp  
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