[BlueSky: 3786] Re:3779 技術と科学のありかた


[From] "Sato, Kenji" [Date] Fri, 9 Nov 2001 09:44:53 -0500

佐藤@ミシガンです。

> 澤口さん:
> これは、取る、取らない、の問題ではなく、社会というのは共感が
> 先にありきで成立しているという現実、事実です。
よくわかりません。どういった観察からこの結論(現実・事実)が導き出されるので
すか?
少なくとも、ヨーロッパ、アメリカでは”契約”が先に来ます。自分の権限を委譲す
る所から国が成り立っています。異なるエスニックグループ間で心情を共有している
から社会が成り立っているなんて、とても考えられません。「互いを殺し合わない」
「共食いをしない」というレベルであれば、社会生物としての”共感”を基に成立し
ているといえるかも知れませんが、そんな話をしているのではないですよね。

> 自分の進路や職業を科学的に決めた人など見たこともありません。
> 根っこが科学に依存していないのです。
”科学”的に職業を選ぶことはないでしょうが、”論理”的に職を選ぶのは普通では
ないかと思います。まあ、占いで職を決める人もいるでしょうが・・・。澤口さん
の”科学的”の定義は解りませんが、僕が使っている科学の定義(=「考える方法」
自体)ならば、まさに、人は科学的に職業を選んでいると言えます。たとえば、私の
家はここにある→家から近くの職場が良い+私の経歴はこうである→この経歴では此
処で働けるし、ペイが良いのはここと、ここと、ここだ。応募して採用してくれる所
で働こう→失敗だ、場所を広げて考えよう・・・って言うのはとても”科学”的な職
業選択方法だと思うのですが、どうでしょう。澤口さんの言われるのが、新卒・終身
雇用の現実のことだとしても、最初に会社訪問をした時点で、無意識にでも論理的
(”科学的”)な判断をしたはずだと思います。

科学を人間から離れたところにある怪物みたいなイメージで捉える事が多いのです
が、基本的に誰にでも理解できるものが科学だと思っています。人間自体に”科学”
が内包されているとさえ思います。ただ、現在の細分化・専門化された最先端を理解
するためには、長い長い道のりを辿る必要があるので、そんな苦渋に充ちた道のりを
歩むのを拒む人にとっては不可思議なモノになるのだと思います。特殊な一部の人に
しか作り出せず、理解も出来ないモノならば、まさに魔法になってしまいます。

小宮さん:
>大掛かりな資本が必要となって、よくいえば「社会に貢献する」、悪くいえば
>「金儲けのための」分野の研究しかされていない(することができない)のが
>現状なのではないでしょうか。
巨大加速装置(カミオカンテでしたっけ)なんてのは、すぐに応用できる結果が出て
るんでしょうか? 社会にすぐに貢献できない研究って、大学にはすっごくいっぱい
あると思うのですが・・・。こんなのがどんな役に立つの?っていう研究をしている
先生はいっぱいいます。つまり、人件費がいっぱいかかっています。純粋数学なんて
どうでしょう?



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