[BlueSky: 3716] Re:3714 プリオン不活性化


[From] Akifumi Murase [Date] Mon, 29 Oct 2001 19:42:35 +0900

邑瀬です。久しぶりの投稿です。

中澤さん:
> 土日と帯広に出張してきたのですが,蕎麦が大変に美味なのにびっくり
> しました。新蕎麦の時期だから,尚更おいしいのでしょう。

私も先月初めに芽室町(帯広の西隣)で新蕎麦をいただきましたが、とても美
味しかったです。行く先々で結構食べていますが、あそこはランクが高いです。

> 自然界のほぼすべての事象に確率的なゆらぎがあり,他の事象との
> つながりがあり,予期しなかった相互作用が常にありうる以上,
> 「100%安全である」ということは,科学的には決して言えません。

科学的に言えないのもそうですが、世の中すべて確率なので「絶対」などとい
うものは絶対ないですね。(笑)

(中略)

> アフリカでのマラリア対策として,なぜDDTを使い続けなければならないか
> といえば,DDTが安価だからです。DDTの毒性で蒙る不利益とマラリア罹患
> を逓減させることの利益とのバランスでDDTを使うという選択がなされて
> いるわけです。エイズに関しても,先進国で行われているような薬剤
> カクテル療法にかかる莫大な経費を負担できる人間は,世界でもほんの
> 一握りに過ぎませんから,nvCJDと同様なほぼコントロール不能な不治の
> 病として受け止めねばならない人々が大多数だと思います。

御意。製薬は開発コストが極めて大きいため、非常に難しい問題です。この夏
にも、スイスの製薬会社が特許を所有しているエイズ治療薬のコピー製品をブ
ラジルが独自に生産するか否かでもめていました。独自生産でかつ国内消費に
限って許可してくれれば、オリジナル製品を途上国で安く売ることによる原価
割れやコピー製品が安価に出回ることがある程度防げると思いますが、やはり
安いコピーが密輸される可能性があるのでしょうね。

> 食肉検査で行われているELISAや,ウェスタンブロットに必要な抗体は
> かなり高価ですし,ウェスタンブロットで使われるゲルは,もしポリアクリル
> アミドゲルなんかだったら,毒性がある物質です。検査の評価には,
> 廃棄物がどれくらい出るのかという評価も当然含まれるべきだと
> 思うのですが,寡聞にして検査のコストや廃棄物の環境負荷の検討が
> なされたという話を聞きません。

微生物の実験をしていたことがありますが、使い捨ての器具が多いですね。治
療のため注射していたときも、毎日使い捨てられる注射器を見て、何とかなら
ないものかと思いました。毎日使うと分かっているのだから、ガラスの注射器
をキープできないものかと。

ところで、頻繁に行われる化学(生化学も含む)的な検査や実験では、検査キ
ットやマイクロチップが開発されつつあるので、より微量の試薬でできるよう
にはなってきています。それと、アクリルアミドは確かに劇物指定ですが、重
合したポリアクリルアミドはほとんど毒性はありません。もっとも、ポリアク
リルアミドを作ったときに未重合のアクリルアミドが微量残ることはあります。

> いわずもがなですが,そもそも100%安全な食物など存在しません。
(中略)
> 動物の宿命ともいえます。その意味でも,【3634】の澤口@一升金さんの
> 「一般の消費者の方がむやみにナーバスになる必要はあまりないのでは
> ないか」というご意見に賛成です。

御意。

> 本音を言えば,肉牛は牧草だけを餌にして育て,牛肉をもっと高価で
> 希少な食物にした方がいいと思います。以前,小宮さんが計算してくださった
> 通り,現在の飼育法では,牛肉を食べることのエネルギー摂取効率は
> かなり低いわけです。

なるべく小さい動物を食べるべきですね。日本でも明治維新までは、1200年も
の間それを実践してきたのに...

> その上さらに,全ての食肉についてプリオン
> の存在チェックをするという方法論は資源の多量消費で,環境負荷が
> 大きいという視点は忘れてはならないと思います。
(中略)
> 論理はわかるのですが,もう少し相対的な評価もすべきなのではないか
> と思うのです。如何でしょうか?

少なくとも同じ牛舎に居たウシは同じものを食べているはずですし、抜き取り
検査の統計的な意味や少々食したぐらいでは大丈夫といったことを考えると、
全頭検査の改善の余地はあると思います。やはり、dose-response のデータが
欲しいです。


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