[BlueSky: 3679] 虫は虫なり(平和思考は一つの価値観に過ぎないのかも・・・)


[From] "gengorou" [Date] Wed, 3 Oct 2001 00:07:17 +0900



こんばんは。ゲンゴロウです。
いつもの、、流れに沿わない勝手な投稿です。
すみません。
よろしかったら読んでください。
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虫は虫なりに一つの考え
(平和思考は一つの価値観に過ぎないのかも・・・)
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虫に特別な虫などいない。
・・・・そんなお話です。。。。

*****お話*********************************

昔々、「平和虫」という虫たちが住んでいる森があり
ました。その森にある時、「戦い虫」という虫たちが
やってきました。

「平和虫」は平和を好む虫だったので、死をかけた争
いなどはせず、いつもコロコロと鳴きながら話し合い
で物事を決める虫でしたが、戦い虫たちは昔から鳴か
ない虫で、話し合うことよりも虫は虫らしく手っ取り
早く死をかけた戦いによって物事を決めながら暮らし
てきていました。

この森にやってきた戦い虫たちは、越してきた頃の数
年は平和虫たちの「平和に暮らそう」という暮らし方
を見習って静かにしていましたが、やがて、どうにも
こうにも我慢ができなくなり、「こんどは、オイラ達
の暮らし方にしてくれ!」と言わんばかりに、平和虫
たち相手に戦いをはじめました。
もちろん、平和虫たちは戦うことが出来ないので戦い
虫たちとは戦おうとしませんでした。
戦争虫は言いました。「今までオイラ達は君たちの暮
らし方で生きてきたのに、こんどは君たちがオイラ達
の暮らし方をするべきだ?」と不満を言いはじめまし
た。
そう言われても、平和虫たちは戦い虫たちの暮らし方
を「暴力的だ」と責めるばかりで、考えてみようと努
力はしませんでした。

とうとう平和虫たちは暴力虫たちに殺されてしまいま
した。

****おしまい********


−−−あとがき−−−

この森の平和虫たちは、自分たちの暮らし方こそがこの世
の最高の暮らし方だとと思っていたので、何もせずに殺さ
れてしまったのではないでしょうか。。。
もしかすると、戦い虫たちの生き方に耳を貸す必要もあっ
たのかもしれません。。。。

【忘れられる前提】

物事には必ず前提というものがあるようです。ある立場に
立っている者には、その立っている場所(前提)がいつも
見えにくいようで、それがその立場にたっている者に、自
らの考えが「この世の最高のもの」と思わせてしまうよう
です。(自戒を含めて)

平和を語る人が平和を語るときにも、やはり前提になって
いる物事があるのではないでしょうか。
平和を語る人には、「平和は全人類の崇高な望みである」
という強い意識があり、その結果、「平和への指向性こそ
最良の方向性」という意識がないでしょうか。

【平和主義は単なる一つの価値観】

もしかすると「平和志向」は、単なる一つの価値観でしか
ないかもしれません。つまり、「平和志向など持ち合わせ
ていない者たち」もいる可能性があり、その者たちにとっ
ては、「平和志向という価値観」は、単なる他の価値観の
一つに過ぎないのではないでしょうか。たとえば、「故意
に平和を望まない」という争乱大歓迎の人間集団もいるの
ではないでしょうか。また、「集団の速やかな選択と行動
の為には戦いしかない」という前提で思考・行動をしてい
る者達もいるのではないでしょうか。。。

結論を言ってしまうと、この様に他の価値観が存在してい
る時には、「平和志向こそが人類最高の指向である」とい
う価値観こそが、実は、戦争を生んでしまう原因になる可
能性もあるような予感がします。

  平和虫たちは、「鳴き方を知らないために話し合いを
  することができない戦い虫たち」の立場を考える必要
  はなかったのでしょうか。
  巧みに話し合う術も、話し合った内容を書き留める能
  力もない者達が、戦いによってしか行動選択ができな
  い中で、長年暮らしてきた中で編み出した方法に、少
  しでも目を向ける必要はないのでしょうか。

【非平和志向とは?】

「平和的でない指向」とは、「平和」を前提にした「平和
を憎む」などというような考え方ではなく、まったく異質
な考え方の中にあるのかもしれません。

「集団の速やかな決断には、死をかけた闘争によるのが一
番」という考え方であったり、「集団の行く末を話し合い
などで解決できるか!」という考え方であったり、「自分
の主張には命を懸けろ!」というような考え方かもしれま
せんし、それ以外にも、「平和」の価値観の中にドップリ
と浸かった私たちには理解が難しい考え方なのかもしれま
せん。

「平和的な考え方」から、このような「志向性」を見ると、
「非平和的」となってしまい、それをもたらしている考え
方に対して極端な価値観の様なものを感じたり、劣った価
値観である様にみえてしまいますが、実は私たちの「平和
志向」も、一つの価値観に裏付けされている「志向性」な
のかもしれません。

【価値感が作る別世界】

私たちは、「窃盗」とか「殺人」を望みませんが、「盗み」
で生活している者達にとっては、「盗み」などという言葉は
「他の社会の言葉」でしかないのかもしれません。
また、「殺人」が頻繁に起きている社会で暮らしている者達
には、「殺人は悪」などという言葉は別世界の言葉なのかも
しれません。
また、「平和」に関しても、「平和な状態」を知らなかった
り、その経験がないことによって、好ましい社会状況と思わ
ない人間には、いくら「平和」を唱えても、チンプンカンプ
ンなのではないでしょうか。
彼らにとって「平和」は別世界の価値観でしかないのかもし
れません。

【平和の押しつけによる争い】

こう考えてくると、「平和を望む思考」は「平和を望まない
思考(←私たちから言えば)」に対しては、単なる別の価値
観ということになり、「平和思考」は、人類共通の価値観と
いうことにはならないことになり、私たちが「平和を崇高な
もの」として崇(あが)めれば崇めるほど、それが単なる価
値観の一つであるということに私たちが気が付かない場所に
私たちを閉じめてしまっているのかもしれません。

「平和志向は単なる一つの価値観である」ということを考え
ずに「平和」を望むなら、それは「平和」というある一つの
価値観を他者に押しつけることになり、他の価値観の押しつ
けでも、その押しつけが争い事の原因になるように、私たち
が「平和」を望むあまり、争いを生んでしまっているのかも
しれません。

多くの平和を望む者達が「平和」を望むとき、「平和」だけ
が大前提でないということを前提に置かないと、真の平和な
どは訪れないのかもしれません。

【価値観と価値観のぶつかり合い】

もしも「平和志向」が一つの価値観であるなら、私たちの指
向性が平和であっても、その平和志向が、皮肉なことに争い
の原因になるようです。

「平和の志向性」が単なる一つの価値観に過ぎないというこ
とは、他の価値観とぶつかる可能性があります。
「平和志向」という目的があっても、その目的へ進む課程に
は、「価値観と価値観のぶつかり合いなどで、一つの価値観
を押し進める場合と同様に他の価値観との軋轢(あつれき)
関係が生まれ、争いが生まれてしまうのではないでしょうか。

【平和と戦争】

私たちの享受(きょうじゅ)している平和の中での幸せも、
それ以前に「悲惨な戦い」がありました。私たちは「戦い
疲れて」平和になったのではなく、戦った結果に平和を達
成できたのかもしれません。もしかすると、「平和」と
「戦い」とは不可分なのかもしれません。あるいは、それ
は結果として他を排除した「平和」であって、姿こそ似て
いますが、私たちが理想とする真の平和ではないのかもし
れません。

「平和志向(平和思考)とは一つの価値観に過ぎない」のに、
もしも「最高の志向」としてしまうと、「平和なんかくそ食
らえ!戦いこそが全て!」という価値観が引き起こす暴力に
遭遇したとき、私たちは、「戦いうことが出来ないので」、
自己矛盾に陥る可能性までも持ってしまうようです。

その時に、「平和志向」を強く押し進めようとすると、やは
り他の価値観の押しつけと同様に暴力的状態に進んでしまう
ような気がします。
平和的な志向性の弱点は、暴力に訴えてその価値観を押し進
められないところにあります。

【平和の性質】

この様に、平和志向性の弱点や性質を理解する上には、「平
和志向も、何かに向かうときの過程に生まれている一つの価
値観でしかない」という前提を見逃さないことが必要なので
はないでしょうか。
そして、「平和志向の弱点と性質」を知ったとき、平和を達
成する賢明な方法が見え始めるような、そんな気がします。

もしかすると、今、私たちが「平和志向の弱点と性質」を
知らないで唱えている「平和志向」とは強者の理論なのかも
しれません。

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庭には、盛んに鳴いている虫の他にも
鳴かない虫もいるな〜と思って。。
             鳴き虫@ゲンゴロウ

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