[BlueSky: 3624] 「止めよう! スターウォーズへの道」浅井基文さん講演会


[From] YOSHINORI ENDO [Date] Sun, 09 Sep 2001 14:04:44 +0900

 こんにちは。遠藤@埼玉です。
 今日は、「止めよう!スターウォーズへの道」と題して開かれた浅井基文・明治学
院大学教授のシンポのもようをお送りいたします。

講 師:浅井基文さん(明治学院大学教授・元外交官)
日 時:9月7日(金) 18:30-21:00
場 所:文京区民センター3F C会議室

 当日は仕事の都合で開始時間に間に合わず、途中からの参加になってしまっ
たことをお断り申し上げます。

 まず、中国と台湾との関係から(講演の順番とは異なりますが)。
 教授は、日本は中国・台湾の二国間関係には首を突っ込むべきではない、と盛
んに強調していました。むしろ、日本が下手にこの問題に関わると、かえって
緊張関係を生み出すと警告していました。
 アメリカは、台湾が独立を宣言すると、中国が軍事侵攻すると考えているそうで
す。国防総省内部でも、米軍基地を琉球諸島南部に作るべきだという意見が出て
いるらしい。そこには現在、民間の飛行場があるのですが、これを軍用にできな
いかと画策している動きがあるらしいです。当然、アメリカの持っている軍用機
の航続距離の関係でそのような意見が出ているのですが。アメリカは、有事の際
は米日の軍事力で中国は凹むだろうと思っているらしいのだが、教授はその見
方に警鐘を鳴らし、中国ナショナリズムを軽んじてはならない、今こそ日本は過
去の歴史に学ばなければならない、もし軍事侵攻すれば、戦前の日中戦争の二の
舞になるといっていました。
 
 今の台湾問題だって、1895年に日清戦争で日本が台湾を割譲しなければ、この
ような問題は起こらなかっただろうと浅井教授はいっておりました。1995年、中
国国内では「抗日戦勝利50周年、台湾割譲100周年」だといって大騒ぎだったらし
い。いくら中国のGNPが1,000ドルほど、通常だったらとても戦争に持ち込める経
済状態ではないとはいえ、日本が中台間に口を挟むのは、中国ナショナリズムに
火をつける可能性が高いと警告します。
 台湾国内でも議会では独立派が多数を占めているらしい。だが、一般国民は 「今
の状態でもかまわない」という意見が多数を占めているそうです。日米が台湾独
立運動から身を引けば、台湾は独立宣言をする可能性はない、中台間の対話を見
守ると日米がいえば、中国だって軍事侵攻はしないだろう。'72年の日中国交樹
立で、台湾との交流は民間だけになりました。これ以上中国ナショナリズムを刺
激してはならない、台湾防衛を口走るなんてもってのほかと発言しておりまし
た。

 
 浅井教授は、クリントンとブッシュでは、外交政策が180度違うといっていま
した。まあ、素人目にもわかることではありますが。
 教授はこれまでのアメリカの外交政策を「マルチラテラリズム(多国間主義)」、
ブッシュ政権の外交政策を「ユニラテラリズム」と表現しました。後者の訳語は
適切な言葉がないらしく、「単独行動主義」(朝日新聞)、「一方的外交(日経、共同
通信)」、「自国優先(赤旗)」とバラバラになっていますが、アメリカの独善を表現
しているということでは共通していると思います。

 ミサイル防衛の話ですが、とったメモを見ても、なんだか自分でも理解不十分な
ところがあり、活字にする自信がないので割愛させていただきます。ですが、
ブッシュ政権が自国利益のために手段を選ばない危険な政権であることはよく
わかりました。なにしろ、自国のミサイル防衛計画のためにはABM制限条約も
邪魔になると、条約離脱も念頭に置いているとか。先の京都会議議定書離脱宣
言に始まり、小火器削減条約、生物兵器撤廃条約、ダーバン会議ボイコット、
そして ABM制限条約も離脱を示唆するなど、この政権にとってはありとあらゆ
る国際的な条約はなんの意味も持っていない。これほど危険な政権はないと教
授はいっていました。
 己の野望最優先、そのためには国際条約なぞ知ったこっちゃない。
 しかし、本当に恐ろしい人間だ……>ブッシュ

 
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