[BlueSky: 3611] Re:3609 雑談


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 28 Aug 2001 17:52:00 +0900

葛貫です。

雑談の続きになってしまうのですが、

和尚さん:
> > まだ建設続行中のガウディのサグラダ・ファミリア教会
> ですが、納骨堂だと小耳に挟んだことがあります(本当かどうか不明)。
> それと都庁はあれをイメージしているとも、それを語った友人は、
> 「東京のど真ん中に不吉な物を建てよって」と言って表情を曇らせて
> ましたね。で、ガウディの弟子が都庁を見て、「この建物は病気です」
> と言ってこれまた表情を曇らせていて、

大雑把な知識しか持っていないのですが、スペインという国は、15世紀
中期までは、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒の3者が共存した
西ヨーロッパで唯一の地域であったのですが、混迷する社会問題を解決
するため、社会、経済、文化、その他、さまざまな面で考えられるあら
ゆる犠牲をあえて無視したうえで、強引に信教統一政策【端審問制度発
足(1480),ユダヤ教徒追放(1492),イスラム教徒追放(1502)】を実行し、
他の西ヨーロッパ諸国のようなキリスト教徒のみの国にするという選択
を行ったという歴史を持っていたように記憶します。

端審問制度、ユダヤ教徒・イスラム教徒追放は、その場で生きていた
個人・コミュニティー(迫害される方、する方共に)に、どれだけの
精神的・心理的負荷をかけたか。詰まる所好みに帰する自分の在り方
を正当化するために、どれだけの歪みをもたらしてきたか。

「特定の権威や公理から出発して、主知的で合理的な理論構成をうち
たて、認識しうるすべての可視的現象を総体として、矛盾なく、かつ
空白なしに説明しようとする」というゴシック様式は、自分の正当性
を主張し、相手を権威により威嚇する手段であるようにも感じられます。

ゴシックを超えたように感じられるサグラダ・ファミリア教会が生み出
されるまでに、どれだけの時間や人が、流れ去るのを待たなければなら
なかったか。
どのような思いや、祈りが背景にあって、今もつくられ続けているのか。

そんなことを考えると、サグラダ・ファミリア教会をイメージして、
鉄筋コンクリートで日本の東京の都庁をつくっちゃうという感覚がよく
わからないです。
ガウディのお弟子さんに病気だと言われても仕方ないかも。

では。





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