[BlueSky: 3598] 追伸:外務省HP「外交政策 Q&A 」の嘘


[From] "Takashi Goto" [Date] Sun, 19 Aug 2001 11:48:09 +0900

後藤@追伸です。

JBICはNGOとの対話路線を取っていますが、外務省は最低です。

外務省のHPにある「外交政策Q&A」の中の「最近のトピックス」には、
以下のような嘘八百な解説が載ってます。ひどいものです。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/q_a/topic_13.html

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                                平成13年6月

(問い)
●日本の政府開発援助(ODA)によるケニアの水力発電所建設事業
が、現地の環境へ悪影響を与えているという報道がありましたが本
当ですか。また、この事業の受注業者決定に際する入札手続きは、
適正に行われたのでしょうか。

(以下答え)
「ソンドゥ・ミリウ水力発電計画」の概要

 ケニアの「ソンドゥ・ミリウ水力発電計画」は、日本の政府開発援助
(ODA)の一事業として、円ベースで資金を貸して(円借款供与)いる
ものです。本事業では、ケニア西部で取水堰によってソンドゥ川から
水を取り、流れ込み式発電所に導水し、発電を行う計画です。

本計画に関する日本政府の対応

(1) 日本政府としては、本計画に関するケニア側の環境・社会対策を
見守りつつ、必要に応じ日本側の関心事項を伝えて、ケニア側の適切
な対応を促してきました。

(2) しかしながら昨今、本計画に関して、現地や、日本のNGO、日本
の国会議員等より環境社会面に問題があるという指摘がなされてきて
おります。

(3) そこで、田中外務大臣の指示を踏まえ、6月16日から20日まで担
当課長をケニアに派遣しました。同課長は、現地サイト視察、地域住
民・NGO及び青年海外協力隊隊員からのヒアリング、「技術委員会」
メンバーやプレス、NGOとの面談、ケニア政府関係者等との意見交換
等を行いました。

(4) 今般の調査結果の概要は以下のとおりです。
(ア) 現地住民及びNGOからの聞き取り調査の結果、「本計画を中止
すべし」とする意見は皆無であり、全員が継続を求めていました。約3分
の1が「本計画に特に問題はなく、事業を実施すべし」との回答、約3分
の2が「環境社会面の問題はあるが、これに対処しつつ事業を実施すべ
し」との回答でした。
(イ) 本計画について最も批判的な問題提起を行ってきたNGO一部関
係者も、「自分たちは本計画の熱烈たる支持者である」と言明し、環境
社会面の問題に対処しつつ事業を実施すべしとの考えでした。

(5) 今後の対応としては、ケニア側でとられる環境・社会対策などを注
視しつつ、今般の調査結果を踏まえ、本計画に対する追加の円借款の
供与について引き続き検討していきたいと考えます。

入札手続きについて

(1) 現在実施中の工事については、調達先を特定の国や地域に限定
しない「一般アンタイド」という調達条件により国際競争入札が行われ
ました。この結果、日本企業、ノルウェー企業及び南アフリカ企業から
なる共同企業体が工事を受注しています。

(2) 第2期分については、日本政府はまだ円借款の供与を検討中の
段階ですが、ケニア側が第2期工事分について円借款が得られる見
通しがある程度得られたと判断し、自らの責任により、入札の手続き
を進めたものと承知しています。日本側としては、今後、第2期分の円
借款を供与するかどうかを引き続き検討し、その結論が出たところで、
この入札手法についての対応を判断することとなります。
(3) なお、「ソンドゥ・ミリウ水力発電計画」の実施に関して特定の政
治家の関与・影響力の行使があったかのような報道が一部でなされ
ていますが、そのような事実は一切ありません。

(参考)ケニア共和国「我が国の政府開発援助」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/oda99/ge/g5-12.htm

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以上、外務省によるヒドイ解説でした。

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後 藤   隆 [ Takashi Goto ]
E-mail: takapi-@sf6.so-net.ne.jp
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