[BlueSky: 3452] Re:3444 京都議定書


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 14 Jun 2001 14:27:31 +0900

葛貫です。

小宮さんwrote:
> どうやら、小泉首相は米国抜きでの批准は考えていないようですね。
>
> http://news.msn.co.jp/topyom/20010613-204433.htm
>
> 「世界第1位の経済力を誇る米国の参加は非常に重要だ。日本独自で
> 決めるという判断は考えていない」と言われたと書いてありましたが、
> 本当にこのようにいったのであれば、少しおかしな感じを受けます。

6月8日の朝日新聞の夕刊に、「ブッシュ外交 西欧と溝 政策よりも
「文明」の問題に グローバル化での見解の相違」という国際政治が
御専門の高橋進さんが書かれた記事がありました。
この記事の中では、中道左派政権が多くを占める欧州諸国と保守化を
進める共和党のブッシュ政権の基本的姿勢の違いについて言及されて
いました。

*************** 

欧州ではミサイル防衛構想にしろ、京都議定書問題にしろ、それらを
戦略問題やエネルギー問題としてではなく、「文明」の問題として
とらえる見方がでてきており、欧米間に政策的よりは哲学的な溝が
広がることも否定できないであろう。
・・・中略・・・
欧米関係の文脈は、構造的にも変わりつつある。いま欧米関係は
グローバル化の奔流の中に置かれている。このグローバル化のうねり
の多くは、米から欧州に流れ、欧州はそれにどのように対応するのか
という課題に直面してきたが、従来の一方的に受け身だった姿勢を
なんとか立ち直しつつある。・・・独社会民主党は、その政策文書の
中で、「政策のヨーロッパ化は我々にとり歴史的な決定であり、それ
自体が価値であると同時に、グローバル化の挑戦に対する必要不可欠
な回答なのだ。」と明言している。

では、米国はどうなのか。米国はグローバル化のうねりの逆流に気付
き始めたのではなかろうか。というのは、米国では、その光の面を
指摘してグローバル化を指示する論調が強かったが、最近ではその影
の部分を強調する見解もっ目立ってきた。グローバル化は各国の経済
ばかりではなく国家統合やデモクラシー等にも影響を与え、また、
アイデンティティーを弱める傾向を孕んでいる。米国は、いままで
グローバル化の牽引車であったがゆえに児野家以降を軽視できたが、
それが自国にも及んでくることに敏感になり始めたのではないか。
・・・中略・・・グローバル化のうねりの中で、アメリカの生活や
経済や政治などを何よりも優先させる「我々はアメリカだ」という
考えが強まりつつあるのだろう。・・・後略。」

*****************

私、個人としては、温暖化については、とりあえず、二酸化炭素
排出量を指標として評価する以外ないのだろうなと思います。
(本当は、他の温室効果ガスや原発等の場合、排熱量自体も評価し
なければ、インチキ臭いと思っている。)
また、地表の約7割を占める海洋に関するシミュレーションの文献
では「〜をパラメータとし、係数を〜と仮定するなら、海洋の二酸化
炭素吸収量は〜と推算される。」と、パラメータも係数も、要検討の
部分が多く残されており、その予測については、まだまだだな、と
いうのが正直なところです。

それでも、人為的な影響がないとは考えられない気温の上昇が見られ
ている。それに関係すると考えられる水害や干ばつ、農業被害が起き
てくるとしたら米国民は、ブッシュ政権の政策にどう反応するのでし
ょうね。難産だったブッシュ政権が一番怖れているのは、自国民の
不支持なのではと思いました。最近、米国は国連人権委員会や国連麻
薬委員会でも落選してしまった。たとえ表面的にでも、敬愛され頼ら
れる世界のボスを国民に対して演じ続けることが難しくなってきている。
時代は変わっているし、父親の時代のブレインに頼って、強気のやり方
踏襲し続けることには無理があるように思えました。
もう少し、賢いと思っていたのに、です。
#国連なんて役に立たん、別枠で新しい機関をつくる、なんて言い出
#さないことを祈ります。

日本という資源が乏しい国は、どう対応していったらいいのでしょうね。





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